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日本舞踊・あの日あの時

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「燦陽譜」として浅草公会堂の舞台の幕が開いたのは丁度1年前の10月30日でした。 波島陽子芸能生活30周年の歩みを綴るにふさわしい舞台を地元浅草公会堂に選び、その集大成は大盛況の内に幕を閉じました。
 燦陽譜というタイトルがオシャレだと評判でしたが、これは加藤和郎先生が付けてくださったもので、常に波島を評価して下さり応援してくださっている恩師でもあります。
 教室の生徒さんも時にi-mediaにお招き頂き、一人でも多くの人にと踊る場も設けてくださいました。
燦陽譜で波扇会としての公演は3回目となったわけですが、生徒さんにとって芸どころ浅草公会堂の舞台に立てるなんて夢のまた夢でしたね。
この大舞台に立ってもおかしくない舞姿に仕上げるその指導の力には本当に脱帽です。

 ここで少し、指導の難しさや重要性について触れてみたいと思います。
先日、衆議院選挙が行われましたが、あの光景を見ていていつも思います。つまり、国会議員の姿勢です。それは区会議員・県会議員でも同じことが言えますね。
この大舞台に立つために必死です。
 当教室の生徒さんやお弟子さんを見ていてもそれは強く感じましたね。みなさん上手に踊りたいとする気持ちは当たり前です。
それだけに私も出来うる限りの応援はしました。先生はそれ以上に本当に大変だったと思います。でも、救われるのはみなさん一生懸命だからやりがいにつながります。
 今回の衆議院選挙でもそれらしきことが如実でした。選挙前に起きたいや起こした不祥事はそのまま得票に反映され落選の印が押されました。 私が思うに、危うくセーフになった議員でも「のど元過ぎれば」でまた変わらない日々が送られるんだな~と悲しくも思えること。 議員で言えばそういう議員に限って「威張って」います。合格すると人間って変わってしまうんですね。
 私は、そういう人をプロ野球選手に例えて考えることがよくあります。つまり、どんなに御託を並べても、どんなに豪語しても、どんなに自己ピーアールしても、プロ野球で例えたら「結果オンリー」ということでしょう。 打てなければ、抑えられなければベンチには入れないのです。
 よく、一生懸命やったと言い訳をする人を見ますが一生懸命は不要なんです。つまり結果が出れば、効果があれば・・・、それが大事なんですね。
 先ほど「威張る議員」と言いましたが、これは職場でも、学校の先生でも、議員でもみな同じことが言えます。
 長いこと生きてきてハッキリ断言できるのは、指導力の無い人間ほど威張っている、或いは怒る・・・ということです。 分析すれば簡単です。
自分の思い通りにいかないから怒るのは本当です。つまり指導力が無いから怒るんですね。 オリンピックの柔道やレスリングの監督が厳しい指導をしている光景を東京オリンピックが近いからよく目にします。
その厳しさは鬼軍曹なんてものではない筈です。でも、なぜそれでは選手は着いていくんでしょうね。そんなことは一目瞭然です。
愛情に満ちた本気さに加え、しっかりとした指導力があるからです。 半面、特にひどいのは政治家(身近で言えば)たちです。 先生!?誰が!?そう言いたいですね。 選挙運動期間中と当選後のあの違い!!! 謙虚さの無いところに良い政治など決して出来ません。
 
 芸の力はプロ野球そのものです。練習を重ね、稽古して稽古して培われていくものです。 よく、芸能を志す若者が近々舞台や撮影があるのでと波島の門をたたいてやってくる人がいます。芸事など、本当のことを言えばやったことのある人は分かるでしょうが、2ケ月や半年お稽古したからと身に着くほど甘くはありません。
確かに、感性やセンスという部分も否めないので一概には言えませんが難しいです。
 それでも何とか仕上がるのは波島に指導力があるからと断言できます。いつかお話したことがあるかも知れませんが、その指導の結果を「自分がやった」と波島は決して自慢しません。 
あの舞台から今日で丁度1年経ちましたがこの1年を振り返ってもそれが本当によく分かります。
 燦陽譜の大成功大盛況の要因は「波島の心」にあった訳ですね。
生徒さんはその意をくんで見事に舞台に立ちました。 それでも一番謙虚であったのは家元だったと言えます。

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この大盛況と感動を呼んだ評価は私が言っているのではありません。 ご来場くださった多くのお客様の証言(手紙・メール・電話)から分かるんです。
これほど嬉しいことは無いですよね。 延々7時間もの公演に対し、ずっと満席であったことが素人さんの多いこの発表会で証明されたも同じです。
 一度大舞台に出たからと辞めていく生徒さんも一部はおられますが、殆どの皆さんは根っから日舞が好きなんですね。 発表会が目的でなく、お稽古そのものに充実感を感じている姿は我々にも強く伝わってきます。 その環境にまた一人、また一人と新人さんが門をたたいてきますが本当に嬉しいことです。

 振付作品(DVD)を制作し始めてから13年ほど経ちますが、今では全国に4000人ものみなさんが波島作品でお稽古し舞台で発表しているようです。中には中国・台湾からもお稽古にやって来ますが「美しさ」を評価してくださってのことだけに嬉しさこの上ないです。

 先ほどお話した舞台でも、或いは作品の収録でも本当に多くの皆さんのご協力を頂いて成り立っているんですね。

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 長い芸歴の中で波島が新人の頃からずっと着付けを担当くださった田島さん。
映画やテレビ・新橋演舞場や国立劇場等々で大活躍の着付師ですが「美しい着物」に出て来るほどの大ベテラン。

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 本当なんですよ。 こうした皆さんに可愛がられ、ご協力頂いてここまでやって来れたんです。
 どんなときも快く応援して頂き波島は本当に幸せな女性だと思います。
大きな舞台も、心からこのように応援してくださるスタッフがいて公演にこぎつけるんですね。そばで観ていて本当にすごいなってつくづく思います。

 波島の師匠が淺香光代先生であったことも波島陽子としては良かったんでしょう。幼い頃からお芝居(時代劇)が大好きだった少女の夢は自らの決断で淺香先生の門をたたき芸能生活をスタートさせました。
波島の挑戦はお芝居に留まらず「美しい踊り」を追求したいと同時に花柳流の先生や西川流の先生に教えを乞うための努力を何年も何年も続けたことです。
 その結果、波島陽子の踊りが完成しました。 全国のみなさんがどうして波島の振り付けで踊りたいというのか・・・、6年ほど前に私はそれが確信に変りました。


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 波島作品愛好者の殆どが口を揃えるのは、「美しい」「かっこいい」からなんだそうです。 創作する者にとってこれほど嬉しいことはありませんね。
 古典を大切に、日本舞踊の基礎がしっかりあって制作する新舞踊。まるでお芝居を観ているよう・・・との評価でいっぱいです。
 私が関係者だから言っているのではありません。 全国の日舞の指導者が各自それぞれの生徒の皆さんに波島作品で舞台に立たせたいと言ってくださいます。
時々頂くお便りに、「浅草の生徒さんは幸せですね! だって直接陽子先生に教えてもらえるんだものね!」 こんな誉め言葉があるでしょうか!? 

 こうした作品で組まれたプログラム。私も改めて昨年の舞台の映像をもう一度観てみようと思います。 
あれから1年。その評価と影響は語れないほど大きくなって還って来ました。
「浅草を着物で歩こう」の企画は12年も前に大手旅行業者と組んでスタ-ト。
今では年間2000余名もの外国人観光客の皆さんが着物や日舞の体験にとやって来られます。
 多くのみなさんが大はしゃぎでカメラを回したりしている中、やはり疲れたのかポツンとしているお客様も見受けられます。 つい先日、16名もの団体さんのとき、ひとりポツンとしているお客様の隣に座ってピースする波島。この光景にみなさんとても驚いていました。
日本の素晴らしさは「美しさ」と言います。 外国のみなさんは日本人は親切、食事が美味しい、町が綺麗、と口を揃えて言います。心の美しさこそ日本人の財産なんですね。おもてなしなる言葉が流行りましたが、この対応にとっても喜んで下さいました。
 外国人だからでなく、「ああ!波島の性格なんだな~!!」と思えた一瞬でした。このことは旅行業者からも後日「お客様に聞きました・・・」とお礼のメールが届きました。

 殆どが素人さんの波島陽子日本舞踊教室。昨年の浅草公会堂の燦陽譜の大成功の秘訣はそこにあったんだな・・・とつくづく思いました。
心でする行動は簡単に見えますが、今の日本人でもなかなか難しい時代に入りました。 感謝できる人と出来ない人。 他人(ひと)に優しく出来る人と出来ない人。 発表会を通じてもとても多くを考えさせられる昨今です。
悲しいかなそれは自分のことが中心だからに他なりません。

先日、デンマークに行って来た中学の女子生徒が日本舞踊を指導した波島に何人かで会いにやって来ました。
その心が嬉しいんですよね。 それは人間だからです。 その行動をとれることが指導の成果でしょう。

世の中がこれだけ便利になって、一番失われているのが心ではないだろうか!?
波島が一番やりたいことは「心の復活」なんだと思います。勿論彼女はそう思っては行動していなでしょう! 「私には何も出来ない!」と謙虚ですが、これほど貢献している人物は少ないのではないだろうか!?
 「日本舞踊を通して楽しく過ごせたらいいね!」とくったくのない顔で笑います。

 あれから1年。 ゆるがぬ気持ちを持ち続ける波島をとことん支えたいと思います。舞台公演1周年を記念してつい先日日光・鬼怒川温泉に行って来ました。
 一緒に行った中国人のお友達3人もとても喜んでいたのが印象的でした。

 大舞台から1年経って、次に向かって笑顔で歩き続ける波島陽子に改めて拍手ですね。


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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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