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 本物を遺したい

夢ー1

ゴールデンウイークも終わり、お稽古場はまた稽古稽古の猛特訓が始まりました。

お芝居が大好きでこの世界に入って今年で芸能生活32年になる波島陽子ですが、その指導力には
ますます磨きがかかり評判が評判を招び現在では芸能関係に進みたいと夢を持つ若者が本当に
増えました。

舞台(おどり)の美しさは師匠の心の表れなんでしょうか、すでに完成した振付作品(DVD)が80本。
ビデオ化しないものも含めたらゆうに200本は超えているでしょう!!

この作品が北海道から九州沖縄、そして台湾にまでその愛好者のみなさんに愛され踊って頂いて
おります。 素晴らしいことですね!!

舞台裏を知らない皆さんには判らないでしょうが、振付をするって本当に大変なことなんです。
現在、毎年大会に臨む団体さんチーム(10名)の作品を振付けていますが、11月の発表なのに現在
まだその1/3程度しか進んでおらずきっとストレスでいっぱいじゃないかと心配するほどです。

作品を創る(振り付ける)って思ったほど簡単ではなく、感性やセンスが無いととても出来ませんね。
そばで見守るしかない私でも、それは痛いほどよく分ります。

だから、教室の発表会はその殆どが素人さんにもかかわらず素晴らしい完成度でその評判は今では
一二を争う程にまでなりました。

夢ー2

そんな中、夢を持った若者が毎年毎年波島教室の門をたたいてやって来ます。

夢を持つことの大切さはとっても尊くて出来ることなら実現させてあげたいな・・・ていつも思うところ。
勿論、憧れから入って頂いてなんの問題もないのですが、やはり芸事は感性やセンス抜きには上達
はありません。 
何というか「覚悟」のない者は無理だということです。

私がずっと悩んでいることのひとつに、「本物はどこへ行ったんだろう・・・・?」の悩みがあります。
つまり、何故日本舞踊を習いたいかのひとつに、やはり「日本人だから」「着物を着てのしぐさやふる
まいを身に着けたい」「女性らしさを・・・」 これみな日本の素晴らしい文化なんですね!?

そう思う動機こそ実に尊いものだと涙が出るほど嬉しくなります。

ところが、この観光ブームの中で「商売」「儲け」が最優先で、外国に火のついた「忍者」や「サムライ」
或いは「芸者」「舞妓」と飛びついています。

かっこいいということは大切なことですが、これら忍者ブームに乗って剣を振り回していることにとても
心配でならないんですね!  かっこいいと美しさの違いはまぎれもなくその所作にあるからです。

私はよく、これはと思える若者を応援しようと今までも頑張って来ました。
しかし、感性そのものがすでに違うことに気づきます。
バック転が出来、回し蹴りが出来て刀を持てば忍者なんですね!!

それではいけない・・・とまず日本舞踊から指導しながらその経緯を見守って来ました。
十代の学生がアルバイトをするキャラクターショーとは違うんです。

映画やテレビの時代劇作品でも昔と今では大きな開きになってしまっています。
つまり、本物はどこへ行ったんでしょう・・・ということですね!!

私は今、これらの苦境を打破すべく行動に移していることがあります。
「本物の芸を持った人を遺す」ために持てる力を注ぎたいということです。

夢ー3

写真の女性(芸者姿)は素人の生徒さんです。

「日本舞踊が大好きです」「着物を通してしぐさを学びたい・・・」、そうした生徒さんが沢山活躍してい
ますが、美しければ諸外国の皆さんをもとりこにすることが出来るのです。

現在、波島教室には年間約2000名ほどの観光客の皆さんが外国からやってきます。
このみなさんは日本が大好きでもう何回も日本にいらっしゃっている人たちですが、10日間ほどいろ
んなところを回って「日本舞踊」が一番楽しかった素晴らしかったと称賛してくださいます。
お世辞半分でも嬉しい・・・と思っていましたが、そうではないそうです。 
本当の日本の伝統・文化とは等に一番触れることが出来、美しかった・楽しかった・また来たい。
そう言ってくださっていただいているんですよとスポンサーの担当者の皆さんから。

口コミで伝わって昨年も今年もこのツアーは好評です。

この好評な要素こそ「日本の心」なんでしょうね。
家元波島陽子だからこそのこまやかで優しいおもてなし。 そして、波島の舞姿に釘付けなのです。

一般の生徒さんはプロではないので楽しんでいただけたら最高ですが、プロを目指す若者には正しい
厳しさと揺るがぬ夢に向かい本物を習得すべく日々精進して欲しいと願うばかりなんです。

最初は「憧れ」からのスタート結構。 しかし、それが目標(ゆめ)となったのなら自分に厳しさを課し、
観衆を感動させることの出来る演者になって欲しいと切に思いますね。

本物とは、技を教えるのではなく「心」を伝えるんだということでしょう。
私の集大成として、そうした「人を遺す」ことこそ使命だと思っています。

若者に合わせていったら、日本の文化は失くなってしまいそうです。
だからこそ基本に忠実で本物の芸に立ち向かって欲しいと思うのです。

今年に入って更に多くの新人さんが入って来ました。
その人たちひとりひとりの夢を叶えられる教室を運営できたらどれだけ素晴らしいだろうと思います。

若者が夢を追いかけるように、私の夢はそうした若者の夢の実現のお手伝いなんだ・・・、そう思うと
なんてやりがいのある仕事なんだろうと思いますね。

本物の芸を身に着けた人(わかもの)を遺したい(育てたい)。


プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
チーフ・プロデューサー
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