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  便利とこころ 3

生れた時からすでに自動販売機がある。テレビに至っては3Dの時代。もしかすると次は匂いまで味わうことの出来るテレビが登場するんじゃないだろうか?そんなことを思う昨今です。
つまり、こうした全ての「便利」はもう当たり前の時代であって、それを語ること自体ナンセンスと言われても仕方ないようです。
このような便利も、許せる範囲があります。各駅にあるあの自動改札です。こればかりは何の害もないように思いますね。先日の寝台特急さよならランに集まった撮り鉄フアンたちに言わせたらまた違った意見かもしれませんが、この便利だけは仕方ないように感じます。
確かに駅員さんが、「只今より上り普通列車上野行きの改札を行います」といった生の声は情緒があったかも知れません。山田洋次監督の作品はこうした人情味や風情を多く扱って来ました。郷愁のようなものが作品をより素晴らしいものにしていたことも事実です。
であればやはり駅員のコールでカチカチと切符にハサミを入れるような光景の方がと思いますが、こればかりは自動改札でしょうか?他にもこれらしき物はあるかも知れませんが、人間の心を大切にしてくれるようなものは便利にならなくて良いと思うのは私だけでしょうか?
昔、修学旅行で奈良に行ったときの思い出です。薬師寺の管長であった高田好胤師は好んで「心」を書き続け語り続けていました。当時、便利な洗濯機を引き合いに出し、母の愛情を語ってくれたことが懐かしく思い出されます。
洗濯機からは母の愛情は感じられないその下りは、「汗を腕でぬぐいながら一生懸命ゴシゴシと下着を洗う姿こそ、子に伝わる母の愛ではないか」と。
高校生であった私は、当時その話に痛く感動したことを覚えています。勿論洗濯機の方が便利で各家庭の主婦はどれだけ楽か知れません。そうした労働を軽減する意味でも素晴らしい電化製品であることは分かっています。
ただ、ものの見方考え方として、今だからこそ便利ということと心を考え直さなければならないような気もします。分かっていることは、この便利を創ったのは人間ということですが・・・!

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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