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 中途半端が道を遮る

子供の頃の夢が叶った話はそれが金メダルであったり、横綱であったり、総理大臣であったり、宇宙飛行士と様々だ。考えてみれば私は大工さんになりたいと思っていたことを思い出す。中学卒業したら大工になろう!それが高校へ行くとしばらくしてその思いはすっかり消えてしまった。だからと言って特別にやりたいことが出てきたわけではない。
人を笑わせ、喜ばせることが大好きで、とにかく人に接することが好きになっていったことは確か。いくつかの会社の経験が制作会社を興すことになるのだが今も尚そこには共通点がある。
だからといって建築現場でその作業を見ているとやはり嫌いではないのだ。中学の頃から離さなかったカメラは今でも活きている。ところがどれもこれも適当にこなせるようになって今の仕事がある。
デパートの催事企画などは集客できなければそれまでなのが次から次へとヒットさせる。電通にまで企画で勝ったことがあるから自分でも驚きだ。
仕事とて同じことで様々な職業を体験(経験)したが全てに自分の為になっている。やろう!経験してみようとその職場に飛び込み無我夢中になって仕事をするから経営者には喜ばれる。考えようによっては勘違いされてしまうのかも知れない。つまりずっと長く居てくれると思われるからだ。
しかし、振り返ってみると「こんなことをやりたい」と思えばついつい行動(転職)してしまうのだ。
今でこそ最後までやり抜いて素晴らしい作品を作るんだと燃えているが、ここまでくるのに自身の試行錯誤はとても語り尽くせるものではない。
私の友に有名な呉服屋に18歳で飛び込んだ男性がいる。彼はその店一筋で生涯を終えようとしている。凄いな~と尊敬すらしてしまう。伊勢丹に勤めた友も最後まで伊勢丹で終わりそうだ。
偉くなりたいとかの野心はなかったが長いこと社長を務め上京してからは専務取締役として建設業にその身を置いたことがある。指導者として経営陣としての行動は若い時のそれと違うが度胸があった。
つい先ごろ大相撲の琴光喜の地元後援会が解散した。琴光喜は会場に現れなかったが、両親とともに手紙を寄せ「社会人、相撲人として原点に返り、成長した姿を皆さんに見せたい」と言ったそうだ。後援者は「今どこにいるか分からない。何をそんなに人目を避けなければいけないのか。相撲と一緒で気が小さい。だから横綱になれなかったのだ」と苦言を呈していた。
大関まで行って立派じゃないかと思う人も多いでしょう。相撲が大好きな私も後援会の人と同じようにこの気の小ささはずっと心配の種だった。彼ははっきりと横綱を目指していたはず。つまり彼の道を遮ったのは何を語ろう精神力の弱さ、つまり心が中途半端であったのだと思う。いろんなことに挑戦してみたいと歩いて来た私の人生とは勿論異なるが、私とて自分の役割がはっきり分かったのはここ数年前なのだ。
でもそこに行き着いただけでも幸せに思う。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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