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 心の持ち方こそ原点 2

勿論全員が20歳前後の女性ですからそれは賑やかなこと。おしゃべりに花が咲いている中にもう一人勤めから戻った藤井さんが顔を出しました。「あっ!丁度良いとこに帰って来た、藤井さんも一緒にお茶しましょ!」と。「このドーナツね5個で80円!すっごく安かったの」と山口さんが勧めたときのことでした。そのドーナツを見ながら、「これで安かったの?どこが安いの?たった5個で?私が知ってる店は7個98円よ!・・・こんなに穴が大きくってさ、そんなに食べるとこ無いじゃない」と言ってしまったのです。シーン!その場が氷りつきました。山口さんは仲間の喜ぶ顔を想像しながらお茶菓子を買って来たのだと思います。とうとう泣き出してしまいました。なるほど、こういう考え方をする人がいるんだ。そう言えばどちらかと言えば友達は多くありません。どちらかと言えば嫌われるタイプでした。
みんなで食べたいとテーブルに出した山口さん。数を見て足りないと思い部屋から和菓子を持って来た鎌本さん。たったお菓子のことですが大変な人間ドラマに発展します。お菓子を勧めてくれた彼女に、まず「ありがとう!」でしょう。そして当然数が足りない訳ですから鎌本さんのように「そうだ」ともし自分にチョコレートでもあったなら「一緒に食べよう」と出したら最高だったのに。
● 事例 2 「昨日の女子バレーの試合」の場合
これはよく酒場や職場で目にする光景ですが、当然私もその現場に遭遇しました。
日本代表チームのエースとして活躍中の多治見麻子選手がお母さんの死を乗り越えて頑張ったシーンを感動の余韻そのままに語った杉原君に対しての上司の会話です。
杉原君は多治見選手のフアンで結構詳しく語っていました。「八王子実践高の頃から注目してたけどミドルブロッカーがしっかりしてるから今回のアトランタは結構いいとこまで行けるかもよ。それにおふくろさんが亡くなったことで・・・・」等々。彼は悲しみを乗り越えて頑張っていることに感動しそのことを誰かと共有したかったのです。私もバレーは大好きで結構詳しい方だったので意見が合い楽しく雑談は進んでいました。
途中から話に参加した上司は盛り上がっている会話に入り込み、「おふくろが死んだなんてのは関係ないよ。ブロックだってあんまり良くなかったじゃん。元々ニッポンは力的にまだまだなんだから期待したって無駄なんだよ」。それで話は終わってしまいます。
前に長崎屋のブロック長の話をしましたが、まずそういう人の特徴は自己中心的な人物に多いですね。話題が自分中心でありたいのです。それと自分の好みに反すると徹底的に反攻するタイプがそれです。
こういう話をすると相手がどう思うかなど判断できないのです。当然相手が傷ついたなど分かるはずもありません。「杉原も見たか!ホント凄かったよな!もう少し頑張ればあのセットは落とさなかったのに残念。でもおふくろさんもきっと応援してるんだろうな、大丈夫だよ!」なんて聞いたら杉原君は仕事でもきっともっと頑張れるだろうにとつくづく思いました。(つづく)

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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