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 おもてなしの心 12

上から言われるのではなく、自分たちが何をどう行動することが正しいことなのか!?これほど分かりやすい方法はなかったですね。
「お客さまに来て頂ける、喜んで頂ける」、また「何をすることがお客様のお役に立てることなのか?」。今考えても凄いことだと思えることは、決して言われて行動したことが無いということです。

大和屋

名駅店は名古屋駅の地下街にありますから当然観光客のお客様が多かったです。つまり、承った商品をいかに速く包装しお客様にお渡しするかが重要でした。
おそらく、包装コンクールがあったらみんな優勝していたでしょうね!そう言っても実感として湧かないかも知れませんが、私たちはそれを楽しみました。
当然お土産ですから1個というのは非常に少ないんです。3~5個、多くて10個となるとその包装はまるでショーを見ているようでした。
バタバタバタ・・・・といった音。その感じがつかめるでしょうか?
勿論、ただ速くても雑な包装はマイナスだって知っています。正確で美しい包装を瞬時に行うその様子は本当に拍手が飛んでくるほどです。
当然手の空いている人はさりげなくキチンと手伝うのです。しかしどんなに多くの人(てんいん)が手伝ったとしても勿論最後にお客様にお渡しするのは承った人間です。
お客様には、この店の店員全員が一生懸命私の商品を作ってくれたんだと分かる一瞬でもありました。
無駄口をたたく者など誰一人おりません。 お客様の手荷物が多いと感じた瞬間、「新幹線ですか?」、「近鉄線ですか?」と尋ね、それが分かると改札口まで一緒にお持ちしてあげました。
そういうことは、日頃の問題点の中からどうすればお客様が喜んで下さるだろうかとか、さまざまな出来ごとに対し、その場合はどうすれば良いか常日頃のミーティングで話し合っていた事柄でした。
そうした行動は不思議なことに必ずお客様に伝わっていたということです。

そんな中に「ありがとう」に関する感謝の気持ちの抱き方も身近な問題を例に勉強しました。

お店(商品)を預かる店員(しゃいん)が何をすべきか!そこに潜む「感謝の持てる心」を身につけるということ。
何度考えてもまるで青春ドラマのような毎日でしたね。
お客様の喜びが自身への喜びと感じられるようになるともうしめたものです。

得てしてお店では「仕事だから」と受け止めるかも知れません。 当時名古屋駅から名鉄線で30分ほど行ったところに女子寮のある西春駅がありました。
午後8時を過ぎて帰宅する場合は寮生全員にタクシーで帰るようにとその最寄駅からの分をチケットとして渡してありました。
寮生はもしかしたら無愛想に「***寮まで」と言って乗り込むかも知れない。つまり今度は自分たちがタクシーに乗る毎日の良いお得意さんな訳です。
ここでも、タクシーの運転手に「こんばんは!ご苦労さまです。***寮までお願いします」と言って乗りましょう・・・等々。 寮の前で降りるときは笑顔で「ありがとうございました」と感謝を述べて降りましょう。
全てにそんな毎日でした。
つまり、お客様にどう言われたら、どうして頂いたら我々店員は職場で嬉しいのか、その喜びや感謝を今度は私たちも実践しましょう・・・でした。
これも言われたからするんでは全く意味がありません。

「みんなは美人で可愛いんだからひょっとしたらタクシーの運転手に見染められて結婚なんてあるかもよ!」ある種の楽しい冗談のようなそんな話も冗談でない日が訪れたんです。
「えっ!みゆきちゃんが名鉄タクシーの人と結婚!!!!!!!!!」これほど驚いたことはなかったですね。
実際にこうした現実に遭うともう説明は要らなくなります。

(つづく)
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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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