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 波島陽子の指導力(日本舞踊)

かっぽれ1

波島は都内の教育委員会から依頼を受けてデンマークで親善大使として「日本文化の紹介」をする子供たち(中学生)に毎年7月の終わりから計5回(1回1時間)日本舞踊を指導している。
早いもので今年で5年目に入りましたが、同行していつも感動するのは波島の指導方法です。

踊りを習っている人なら即理解できるとおもいますが、とにかくお稽古の時間が無いのです。
合計5時間と言ってもその中に着物(ゆかた)の着付けやたたみ方の指導まで行うとなると常識では考えられないほど過酷、いや恐怖にさえ思うことがありますね。

依頼を受けてから作品を決め、勿論それから群舞として振り付け構成をします。
習う生徒たちは全く日舞に馴染みのない若者たちばかり!本当に考えただけでもぞっとします!

さて、その指導です。 波島の気の入り方が半端ではありません。
舞台女優なだけに魅せる場面をよく心得ているからでしょうか?ところどころにメリハリをつけながら仕上げて行きます。
生徒たちがなんとかやっと振りを覚えた・・・というところでお稽古の日程は終了します。

同行される先生方と波島の考えはここから違います。
それは、お客様にお見せするという観点から妥協できないところに差し掛かるからです。


かっぽれ4

簡単に言えば日本舞踊(新舞踊も)を踊る人たちは全て表現師です。
しかし、初めての学生たちにそこまでは求められません。
と言ってそれで良いという訳にはいかないのです。作品が言わんとしている意味、それを心で思い目に表す。
つまり目力なるものを伝えその雰囲気を出させようとします。
それが出来るのはその作品を中学生用にアレンジしているからに他なりません。

緊張感がほぐれた頃最終日を迎えるという強行スケジュールですが、優しさと厳しさを持ち合わせ根気よく指導するその様はそのまま生徒たちに伝わっていました。

私は波島に依頼を受け、最終的には映像化し各自の教材とします。 実際そこまでしないと完成しません。
そうだったんだと分かるのは生徒たちが現地で披露して初めて知ることになるんだと思います。

毎年報告会に招かれますが、「笑顔の大切さを知りました」「踊りは大成功裏に終わりました」等々の報告を受けます。 大成功の解釈のレベルこそ違っても、波島の心(舞い)はしっかり伝わっているのだと思います。

それぞれが多くの夢と楽しみの中でまもなく出発しますが、生徒たちにはこれが一生の思い出になることだけは確かでしょう!。
改めて着物の素晴らしさに触れ、踊りを通して日本の伝統芸を肌で感じることになります。

急いで、あれもこれもと身につくものではありません。
5日間のお稽古を通じて、なんて日本舞踊って素晴らしいんだろうと感じるのは優しく根気良い指導方法にあるのだなと改めて感じます。
そうしたことが出来るのも、勿論しっかりとした芸の力(技術)があってこそ裏打ちされるのです。
そして何よりも大切だと感じるのは教えるということから脱し一緒に覚えましょうとする波島の優しさが習うもの皆に伝わっているからに他なりません。

私は子供たちに毎年「おもてなしの心」について話してあげていますが、波島に接した子供たちは理屈抜きでそのおもてなしの心に触れているんだと思えるから不思議です。

こうした未来の大器だからこそ情熱を注ぎたくなるんです!
純真無垢な学生たちですが波島もまた負けず劣らずの純真な心の持ち主なんですね。
真心は必ず伝わるという典型です。
プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
チーフ・プロデューサー
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