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 こだわりは命です

美味でござる

浅草には珍しいお店がいくつかありますね!

久しぶりに飛び込んだ「どぜう屋」で冷酒に頼んだのがこの「鯉のあらい」!
いやいや実に美味しいですよ!!  ゆっくり語り合いながらのおつまみにはちょっと贅沢です。
歩いても5分とかからないんだからいつでも行けそうなものだけど、そうしょっちゅうは行けません。
そうね!ちょっと一杯ひっかけるには少し贅沢かな!!

それよりも、やはり美味しいのは自然そのものの方が実際は極上に思う。
・・・、そう   自然そのものだから子供の頃からそう言えばよく食したものだ。
だって、どじょうも鯉も家の周りに結構いたもんね考えてみたら!

高校生の頃、たんぼの近くでどじょうを獲り、砂や泥を1日中吐かせて翌日は教室のストーブに鍋をかける。
牛蒡を持って来る者、ネギを持って来る者、鍋を持って来る者、椀を持って来る者。 こう言う相談(はなし)はすぐにまとまる。
授業の2時間目が終わると調理にかかる・・・。
大きな鍋にまずは豆腐を3丁ばかりそのまま入れてどじょうを入れた瞬間そのどじょうは凄い勢いで豆腐に潜り込む。
残酷と言ったら残酷物語だ!

3時間目の授業中にはたまらなく良い匂いが教室中まん延する ♬
おもわず先生が、「なんじゃこりゃ・・・」と蓋を開ける。
「おお~美味しそうだ・・・! 僕もお昼に食べに来て良いかい!?」となる。
そして昼食は全員が鍋に群がる!!

ドラマのような本当の話です。

鯉なども「鯉こく」にしたり「あらい」に酢味噌で食べると美味しいことを当時から知っていた。
環境が環境だけに、山菜は豊富。 まもなくふきのとうが美味しい時期だけど故郷のあけびの芽(木の芽)などまずこれほどの絶品はお目にかかれない。

水は美味しい! 空気は上手い! 食べる米はこしひかり!!
なんて贅沢だったんだろう幼少~高校までのその時代。

どじょうをお金を出して食べる!!   鯉も買って食べる!!  山菜など刺身以上に高い!!
有名なデパ地下に行ったらその値段の高いこと!!
タダで食べていた者には本当に想像もつかない!!
従って、専門店でそれらを頼むと先に郷愁というか懐かしさに包まれてしまう。
今では盛りつけなんかもいろいろ工夫されより高級感さへ漂わしているからたまらない。

私はこうしてテーブルに乗った珍味を見ると、職人さんの包丁さばきを想像してしまう。
盛りつけも工夫されていてお酒が進み話しに花が咲く。

いろんなお店に行って思うこと。
その職人さんの腕の見せどころ !!  実際に素早くさばいてこその旨みになるのだが、まずは目で食べる!心で食べて生ツバ飲んでやっと口に入る。

何も言わずにおしゃべりしながらただ食べてる御仁を見かけるが楽しい食べ方を教えたくなるね!

たまに教室の生徒さんを連れて行くことがあるが特に若者はたしなむ楽しさに欠ける者が少なくない。
ファミレスで温めて出されたハンバーグに慣らされ、食を語るなどお目にかかったことがない。

集まれば噂話や上司の批判!!
楽しみ方? いや酒の飲み方を教えてあげたいと思うことしばしば!

職人のこだわりが見え、そのこだわりこそが話題になるほど美味しいお店。
人の生き方にも共通することが見え隠れ!
現在芸事に関わって日々奮闘していますが、このこだわりこそが芸術なんだ!

先日、京都の西陣織りの職人(後継者)不足にある名人が募集をかけた。
半年は給料払えないけどそれでも良ければ来てください・・・と弟子の募集が話題になった。
つまり、無償は労働基準法違反だという人、修行なんだから当たり前だと言う人。 
理屈でないことを理解できない者が名人になれる訳がない。

楽して覚えたい!! すなわち全て薄っぺらであり偽物(粗悪)にしかならないことを理解できない世の中になった。
名人に共通しているこの「こだわり」こそが本物を招ぶことを若者に知って頂きたいものだ。

昔、私の先輩(近所の友達)が中学卒業して墨田区のお寿司屋さんに奉公に上がった。
やっと食える給料!!??
しかし、3年間飯炊きだったそうだ。 今ではビルを建て立派な親方だ。
それでも新人の変わりようについて行けないとこぼしていた。

本物に「年季」という言葉が似合う。 年季奉公の意味も分からない者が理屈を語る。 恐ろしい世の中になった。
職人技も芸術なら、日本舞踊なども最も年季の要るジャンルになる。
本物を追いたいなら修行をして欲しいと切に思う。
しかも、こだわり抜くことの意味が理解できる人間になって日本人としての修行をして欲しい。

すぐ周りにいるご年配の方に聞いてごらん!
裁縫は出来る。 料理は出来る。 そして日本の良さを知っている。
間違いなく本物を知っている皆さんです。そのことが理解できれば人を敬う心も芽生えます。

何かにこだわりをもって本物について語り合えるようになってください。
時代に押し流されず良き日本を継承するためにも、本当に美味しい物を食べに行ってみてください。
なぜこんなに高いかを知ります。  本物は高いんです。 それが価値ですよ。

私が古い人間になったんだろうか!!
とうの昔に青春時代は終わったけど、私は今20代や30代の若者よりはるかに青春していますよ。
本物を知り、他人(ひと)の心を知ることで心が豊かになってとても幸せです。









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岡部俊雄

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