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 本物を求めての旅

ほんもの

今まさに国を挙げて海外からの旅行客を呼び込もうとあの手この手の算段が繰り返されています。
特に浅草は都内でも、いや日本国内でもトップクラスの観光地として多くの観光客のみなさんがやって来ています。

波島陽子日本舞踊教室では、教室を開校する3年も前から外国人への日本の伝統文化の体験として「振袖や袴」等着物を着ての浅草散歩に取り組んできました。
インバウンドと囁かれて3年ほどになりますが、今や過剰と思えるほどの受け入れ業者が増えました。
人力車だけでも5年前に比べたら倍になったかと思うほどです。
教室の周りでも人力車の車庫の多いのを見てもその凄さが分かります。

話は戻りますが、今すごく目立っているのが「ゆかた(着物)体験」で外国の皆さんはそれがどんな生地であっても「ゆかた」ってだけで孫にも衣装が溢れています。
ポリエステルで無造作に着せられたゆかたや着物?で仲見世を歩く外国人。悲しくなりますね!!
本物(伝統)を伝えたいのではなく商売をして儲けたい。 分からなくはありませんが、粗悪な対応は決して「おもてなし」とは言えないと言いたいのです。

もし、自分ならそれで「満足」しますか!?・・・と問いたいですね。
帯の結び方、仲見世の女将さんの不評さで明白です。
お客様も、安いに越したことないから安価な店に飛び込みます。 大間違いですね。

上の写真(振り袖)を見て分かるように波島教室の提供は「絹」です。
さしている蛇の目傘は1本5万円もする高価なものです。 傘を開いたらあの独特な蛇の目の匂いがプーンとします。
周りは全て洋傘ですね。
スマホで写真を撮っているのは教室のスタッフです。 通訳をし、一緒にご案内して差し上げる。
このサービスを喜ばない筈はありません。 これこそ波島のこだわりです。

おもてなしとはこうしたことを言うのではないだろうか!?
このお客様は結局2日後に今度は日本舞踊を体験したい・・・と突然体験を増やしていきました。
「こんなに親切にしていただいて感動しました!」「今度は是非友達連れて遊びに来ます!」
そう言って帰国されました。

私たちの特徴(こだわり)はこの徹底した「おもてなし」にあるのです。
何でも安ければ良い・・・???  それでは良いものを提供できるはずがありません。
心に残る日本の思い出をプレゼントすることこそ最高で本物のおもてなしではないでしょうか!?

本物2

私は約30年ほど前に何年か仕事の関係でイギリスへ行きました。
「妖精の里」建設の事業で訪ねたのはロンドン等の中心街ではありません。
コーンウォール地方やワイト島  そこはまるでおとぎの国でした。
つまり、妖精に会いに行って来たのです。 素晴らしい視察研修だったことを覚えています。

写真はワイト島のシャンクリンという町ですが町全体が全てこんな建物でなにか童話の世界にタイムスリップしたような気分を今でも鮮明に覚えています。
仕事で3回ほど訪ね、あまりの素晴らしさに個人で1回行って来ました。

私は日本が大好きで日本人の心を大切にしたい張本人です
シャンクリンやコーンウォールで見た景色、出会った人々、ここにも人間らしい生活をしたロンドンとは全く異なる人々を多く見、話す機会を得ました。
まるで3匹の仔豚や白雪姫、ピーターパンが今にも出て来そうな・・・まるでそこは夢の国でした。
日本よりも人々は穏やかでみなニコニコと優しい眼差しを送ってくれたその姿がとても印象的でした。

うまく言えませんが分かりやすく言えば、「ありがとう」のひと言に心がこもっているんですね。
元来、ありがとうとはそういうものだと思います。

先日、テレビのドキュメンタリーで京都の舞踊家「井上八千代・三千代」さんの心根に触れることが出来ました。
私が常に強調している「踊りは心で舞うもの」・・・ということをはっきり言っていましたね。
つまり、相手に伝えるということはただそれだけなんだと思います。 そこに行きつけないから修行をするんですね。

てっとり早く覚える方法って無いに等しい。
それをまるでスマホで答えを得るように手っとり早くなど日本舞踊では無いのです。
日本舞踊というより、伝統は全てそうです。

得て不得手は育ちや経験でも大きく違って来ます。
新しいものの積み重ねではなく、今までが重要なんでしょうね。

外国人は何故日本が素晴らしいと思いこれほどやって来るんでしょうか!?
それは「日本人の心」が素晴らしいからに他なりません。
街が綺麗だ! 食べ物が美味しい! 等々沢山評価されています。 中でも「日本人は親切」が圧倒的です。
これが日本の文化ではありませんか!?

行ってみたら、イギリスにも素晴らしい発見がありました。
世界中の皆さんは日本は夢の国だと思っている人が圧倒的に多いのは事実です。
その観光客の皆さんに嘘を伝えてはいけないんです。
勿論商売になることは嬉しいことです。 しかし、利益の追求を焦るばかりに粗悪なおもてなしごっこをしていないか問いたいと思いますね。

これだけ世界中からやって来る旅行客の皆さんに、本当のサービス(おもてなし)をもって「本物」を伝えて行きたいと改めて思う昨今です。
利益を追ったらお客様は去っていく原理。 おもいやり(適正)価格は心で決めるものです。
本当にやろうとしたら、お金がかかることは当たり前なんですよ!

本物には付加価値が無くてもお客様満足度はうなぎ昇りのはずです。





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