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 あいさつ 3

これは本当にあった話ですが、同族会社での怖い話です。
社長よりも経営者の権限を前面に出していた社長夫人の行動がまるでドラマのようで、いつか小説にでもしてみたいと思っていた事例です。
同社の役員小野修二氏は社長夫妻に見染められて入社し会社の立て直しに力を注いでいました。今までにない小野氏の手法は旧態依然とした会社の在り方に新風を吹き込み社員も日増しに士気が高まっていました。
業績を上げる第一の課題は「心の持ち方」であると人間関係を強化しその一環としてある年に社員旅行の在り方を変えました。同族会社の特徴を生かし社員の気持ちを大切に考えた旅行は絶賛の評価。
ところが翌年の丁度社員旅行を計画し始めるころにある小さな事件が起きました。小野氏の改善要望に憤慨した社長夫人の態度が一変したのです。親族も荒れる性格は承知しており、その異常なまでの意地悪に口を揃えて「奥さんは更年期障害なんだよ!」でした。
小野氏は病気になるほど苦しみました。このまま死ぬようなことにでもなったら間接殺人と言われても仕方ないほどの想像を超えた意地悪が続きます。このときの様子を多くの社員が話します。朝の挨拶など針のムシロのようだったと。その年の社員旅行も従来通り小野氏が計画進行させていたことは承知の上で社長夫人は独断で台湾旅行を決めたのです。(きつい人間ているものですね)
帰って来てからの捨て台詞が凄かった。「去年なんか問題にならないほど楽しかった」と。これをわざわざ小野氏の前でみんなに言うのです。番頭と丁稚の物語にこんなのありましたね確か!
それでもⅠ日1日と日を重ねる訳ですから当然何があったとしても朝夕の挨拶は必要です。小野氏は今までの人生にこれほど醜く苦しく怖いことはなかったそうです。
気分で変わる挨拶。親の背中を見て育つは本当でやはりその息子たちも挨拶は気分次第で相当の問題児だそうです。親の会社と思ってますからその態度は挨拶の態度が全てを物語っているんでしょうね。
私は名古屋で同族会社にお世話になったことがありましたが雲泥の差ですね。質の良さはまさにこうした比較の中で分かります。「本当に正しい挨拶」が出来ないから社員が育たないのは当然ですし、優秀な社員はみな辞めて行ってしまいます。それを全て辞めてしまった社員を悪者にするといった状況を現職の社員がどんな気持ちで見たり感じているのかなどこうした経営者は知る由もありません。(つづく)
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岡部俊雄

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