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 湯沢湯乃華芸妓物語 11



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分からないなりにも湯乃華に惚れ込んでここまで書き綴って来ました。
 「なるほど・・・・」!、知れば知るほどもっと知りたくなるという不思議なチームです。

そんな素敵な芸妓さんたちの故郷湯沢にも、やがて雪囲いが見られるころとなりましたね!!

雪だ

まさに湯沢の雪景色です!!(実はここ波島陽子の実家だそうです!!)

私も越後の豪雪地帯育ちですからこの程度では驚きませんが、それは我慢を強いられる季節以外ないのです。
「悪りぃ子はいね~が・・・・!!!?」 となるの分かりますね。温かいナマハゲの出番も秋田ならではの冬の風物詩でしょうか!?

本当にそうなんです。 冬は寒くても人情味ある日本を代表するまさに心の故郷です。 春を待ちわびたふきのとうやつくしのように、この地湯沢に芽を吹いた新緑にも似て希望に満ちた芸舞妓たちがすくすくと成長しています。

童話作家立原えりかさんの作品に「花かんざし」というひな祭りにちなんだ名作がありますが、人々の温かさがとってもよく似ています。

このシリーズ(物語)で、想いというのがこれほどまでに素晴らしいというひと幕を見て頂けましたか!?

主宰の阿部さんは続けます。「湯沢市役所に勤めていた私は社会変化の中で次第に地域の元気が失われている現状にとても危機感を覚え、私に出来ることはないだろうかと考えた末、院内銀山の花街文化を生かせないか・・・」と。
「その決意が正しいかどうか・・・、それでも湯乃華はきっと観光の材料になる。そして、地域物産や観光の媒体となる。つまりそれは廃れゆく芸術文化を継承することになるのだ・・・・」と。
この3点の役割を果たすことで、地域を明るく盛り上げられるはず・・・の想い、これはもうロマンですね。

こうして湯沢市、そして京都にご縁のあった阿部一人さんは立ち上がったのです。


地方 幸乃
幸乃 SC

私が最初に湯沢のお座敷(百年料亭 石川)にお邪魔した時の感想に、なんてクオリティの高い一団なんだ・・・と驚いたのが湯乃華さんと触れ合うきっかけでした。

そうなんですね。ひとつひとつ紐解いてみると、湯乃華がここまでクオリティが高い理由が次から次へと顔を覗かせてくれます。
その一つが地方さんです。 岡本新内四代目家元・岡本一寸平(ちょっぺい)二世の地方「幸乃」さん等がスタッフで居てくれるからこそなんですね。

伝統文化はとても奥の深いものです。 芸舞妓たちの心意気を知るとそれは「安心」の中で期待や希望に変わります。
つまり、やる気のある若者たちがお姐さんに追いつけ追い越せでみな本気なんですね。

「幸乃お姐さんはとっても明るくっていつも私たちの心の支えなんですよ・・・と」芸舞妓たち。

人間性をお聞きするとここでも波島陽子が秋田県人なんだな~につながります。 本当に秋田の人は謙虚なんですね。
「幸乃お姐さんは数々の賞を受賞された素晴らしい人なのに、それを決してひけらかさず私たちに優しく気さくに接してくださる」・・・との事。 素晴らしい、素晴らしい!!
今年の夏、波島陽子は教育委員会から長年の功績を称え・・・と表彰されました。しかし、受賞するまでが大変でした。
この賞は、東京都内の中学校の生徒たちに日本舞踊を11年連続で指導したことに対するものでしたが、この事業は台東区と姉妹都市提携しているデンマークのグラズサックセ市との交流のある台東区の事業の一環。

毎年短期間で仕上げる作品(日本舞踊)を17名の子供たちに教えるのですが、与えられた時間は5時間!!!毎年身近で見ていてその大変さは言葉では表現できないものでした。
それでも波島が表彰されると聞いたとき、私は本人に伝えることが出来ませんでした。それはおそらく表彰の話を知るときっと本人は受賞を辞退しかねなかったからです。
ずっとずっと波島を見てきて、その謙虚さは言葉では表現できないほどなんですね。教室にいてもどっちが生徒で先生か分からないと思うことがあるくらい。
だから、幸乃姐さんが謙虚と言われるととてもよく理解できます。秋田の人間(おなご)の美しさは心の美人でもあるんだな~と実感しています。


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幸乃さんは、音楽の先生をなさっていて吹奏楽部に東北大会金賞を獲らせたこともある実力者で50歳代で早期退職され、お琴・三味線など邦楽の修行に入られたとか。

「こんな素晴らしい先生(いえもと)が弾いてくださる岡本新内で踊らせて頂いている私たちは果報者です・・・」と芸妓さんの偽らざる気持ち。優しい心(謙虚さ)はしっかりお弟子さんたちに受け継がれています。

こう考えてみると阿部さんは相当素晴らしい仕掛け人と言えませんか!?
「湯沢を元気に・・・・」はこうした裏付けがあってこそ実現するんですね。


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前にもお話しましたが、芸舞妓は日本の伝統をしっかり受け継ぎ、その為の修行を日々重ねてお座敷に向かいますが、その中に実際に芸舞妓さんと遊べるコーナーがあります。

本格的なお座敷遊びが出来るところは日本でも少なくなりました。 

私がまだ20歳代の頃、仕事で下呂温泉に行ったときのことです。幹事がお客様をもてなしたいとお座敷に呼んだのが芸者さん。たしか、私のお座敷デビューだったかもしれません。
3人ほど来てくれたお姐さんはどう見ても65歳は越えていました。
私の家に出入りしていた芸者さんは当時30歳~45歳くらいだったと思いますから当時は相当おばあちゃんに見えました(失礼)。でも当時お座敷で何をしてくれるのか等は見たこと無い訳ですからね。 正直下呂温泉での襖が開いたときは「ワオッ」と思いました。つまり舞妓さんのような人が来るようなイメージだったんでしょうね。若かったな私も(笑)

ところがです。踊ってくれる、歌ってくれる、三味線を聴かせてくれる、それは見事でした。なるほど・・・・、これがお座敷か!!?
年期という力、築き上げた芸の力は不思議な空間を創ってくれたことを今でも懐かしく思い出せます。
修行を重ねたその芸に日本の文化(くうき)を感じられ、心地よかったのはまぎれもなく私が日本人だからなんだと思いましたね。

現在、浅草で世界各国から訪れる観光客のみなさんに日本舞踊を楽しんで頂いていますが、しっかりと本物をご披露したい・・・は骨身にしみて分ります。
「ああ!日本は素晴らしい・・・・」と言っていただけると本望ですからね。 

下呂温泉の下りは、知らないって怖いということでした。確かに粋で艶やかな遊びです。しかし、これが日本の文化なんです。

私はまだ湯乃華さんの芸妓を2名ほどしか知りません。 しかし、それで十分でした。 お会いしたのは佳乃華さんと佳津那さんでしたが、このお二人を見て湯乃華の全てが分かったような気がしたからです。

9月頃だったでしょうか!? あるテレビ局のニュースに外国人観光客が京都の祇園で舞妓たちをパパラッチしていたニュースが流れていました。偶然そのテレビを見ていたんですね!!確かに困ったものだ・・・と私も同感でした。 映像に素敵な芸妓さんが映っていました。「んんんん!」そうなんです。あまりにも偶然でしたが、そこに映っていたのは湯乃華芸妓さんだったんです。
まったく遜色ないのは見事でした。


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知らない人はもしかすると「芸者か・・・・」くらいにしか見ていないかも知れませんね。

前にもお話したかも知れませんが、お座敷へは是非女性の皆さんも一度出かけてみてください。
そのひとときが、どんなに美しくまるで魔法にかけられた空間のようで心洗われます。 湯乃華の皆さんは純粋に故郷の為、素晴らしい日本のためにその美しい日本の伝統をしっかり守ってくれています。

置き屋さんを出るときに最近は近所の皆さんが「いってらっしゃい・・・・」と声をかけてくれるんですよ・・・と話してくれました。


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磨かれた芸を、こんな近くで楽しめるのもなかなか機会の無いものです。

着物は、美しい心に羽織ってこそ素晴らしい日本舞踊に仕上がると波島は言います。  私の心が動かされ、こうして綴らせて頂く機会を得たのもその美しい心(まい)に出会えたからに他なりません。


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秋田県・湯沢市は小野小町の故郷と言いました。

豊かなのは、あの美しい大自然だけではありません。 心の豊かさは、どこまでも奥ゆかしく控えめで謙虚な湯乃華のみなさん。まさに故郷を代表した秋田美人です。

今回、ご縁を頂いて何日かに渡って「湯沢湯乃華芸妓物語」を綴らせて頂きましたが、私は波島陽子を通じて知り合った阿部一人さんに出会うことが出来たのは何にも増して素晴らしい宝物になりました。
故郷を、人生をかけて守り、育てているその情熱は秋田県のみならず日本全国の地域振興に携わっている人は元より、これから日本を背負って立つ若者に是非見習ってもらいたいと心から願っているところです。

長い人生本当にいろんな人との出会いを得てここまで来たことのひとコマでしたが、若い人の中には「出会い」を生かせない人もまだまだ本当にたくさんいます。私の経験上「出会いは財産」です。出会いを大切にできる秘訣なんてありません。でも、強いて言うなら感謝の心でしょう。

湯乃華の芸舞妓のみなさんは素晴らしいことにその感謝の心をしっかり持って「夢の実現」に向かって一歩ずつ歩を進めています。
いじらしいほど謙虚で優しいその心根で頑張っています。

「故郷を元気にしたい・・・」と立ち上がった阿部さんに改めて拍手ですね。 芸舞妓たちから、「これほど周りの人を大切にする師匠(阿部さん)の下で頑張れる私たちは幸せです・・・」と聞こえて来ます。

全国のみなさん、是非一度秋田県湯沢市で活躍している「湯沢湯乃華芸妓」と一緒に素晴らしい日本の伝統をお楽しみください。


連絡は「湯沢湯乃華芸妓
TEL 0183-56-5182
FAX 0183-56-5181
Mail:geigi-yunohana@agate.plala.or.jp

どの宿泊先(ホテル)へお願いしても大丈夫です。
会いに行ってあげてくださいね。



来年は湯沢湯乃華芸妓は創立5周年だそうです。
スタッフを、芸舞妓たちを大切に歩く阿部一人さん。  私も、素晴らしい人に出会えて感謝です。

是非頑張って湯沢の、秋田の、いえ日本の伝統を更に磨き上げていってください。 物語の終わりに、ご協力くださった佳津那さん、本当にありがとうございました。
また素晴らしい舞いを魅せてくださいね。


ご縁というのは不思議なものですね。 波島陽子を通し私も湯沢を多く知ることが出来ました。 そして今回、阿部一人さんを通しもっと深く湯沢に触れることが出来ました。

この地にこんなにも頑張っている人たちに出会うことができ、また腕まくりしてみたい・・・、そう思えたのがこんなにも嬉しいとは思いませんでした。 歴史や文化を、そして伝統を、それはみんなで守り更に育てなければ継承にはなりません。
心から頑張って・・・・とエールを贈りましょう。 勿論応援もしていきたい。

私は歌が好きで、歌と共に歩いて来たといってもいいくらいずっと歌を愛してきました。 そして綴った歌詞があります。
物語のしめくくりに湯沢を口ずさんでみましょう。

優しく思いやりに満ちた秋田ならではの人情。演歌でメロディーもつけた「ふたりの春」です。

りんご畑に 咲く白い花
風に抱かれて 夢見る秋田
愛を語ろう 季節を越えて
なまり言葉に 頬そめて
ふたりの春よ  ああ 皆瀬川

おぼこ小町に 似た優しさが
いつもおまえの 笑顔じゃないか
眩しく見えるは 幸せ便り
花も嵐も 雪解けの
ふたりの春よ ああふきのとう

鳥海山から 見た日本海
母の温もり  ふるさとごころ
一目惚れした 春待ち人よ
いのち連れ添う  芭蕉みち
ふたりの春よ  ああ きずな旅







湯沢湯乃華物語   

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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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