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 少子化 6

私が事業を営んでいたときのことです。農協に勤めていた彼が企画制作の当社に飛び込んで来ました。34歳前後の彼は結婚を機に転職して来ましたが、それはそれは生真面目で相当なものです。
まだ自動車電話が出回ったばかりの頃で、各自の携帯なんかはありません。東京から仕事での帰り道、このまま家に着くと夜8時頃になるだろうと思い、自動車電話で彼の奥さんに電話をするよう勧めました。仕事ですから当然遅くなることもあります。しかし、何時に帰るのかが分からないようなことでは駄目だと言ったのです。まして新婚です。
彼は恥ずかしそうに新妻に帰宅の時間を告げていました。こういうことが大事なんです。現在は各自携帯を持っているのでその辺はしているかいないかは分かりません。
私が言いたいのは、まして夜9時10時にまで残業ということであれば、基本的に会社の電話で「遅くなるコール」を出来る環境が欲しいということです。各自の携帯でなんてことはおかしいと思う。確かに私的と言われれば私的です。しかし、会社の仕事です。毎日であるなら尚更です。「残業に決まってるじゃないか?」ではありません。
家庭を大事に出来なくて、どうして良い仕事が出来るのでしょうか?帰るのは、寝るためだけに帰る。これも現実では問題があります。
私が事業を興した当時は朝も夜もない状況でした。営業は私一人でしたから朝早くから夜は殆ど10時11時でした。県外にも出かけ、殆ど車移動ですが一切高速道路の使用はありません。トヨタのハイエースバンにはいつも荷台に布団が敷いてあります。それが2年も3年も続きました。新しく高速道路が開通する頃は従業員も15人ほどになっていました。だからと言って彼等(従業員)に同じことをさせることは出来ません。
基本的には8時間労働の中での生産性を高めるのが基本ですから。
働く環境づくりも何年も勉強しました。勤めている頃から人事や労務に携わって来ましたのでとても良く理解していました。英気を養うという言葉があるように、「よし明日も頑張るぞ」にならないのは駄目です。
ただ勤めるのではなく、そういうことも頭に入れながらもう一つの大切にしなければならない道も夢と希望に繋げながら歩いて欲しいのです。
私生活をきちんと保てない人生は間違っています。働きがいのあるとはどういうことかを考える参考にしてください。(つづく)

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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