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 少子化 5

つまり、心のゆとりがまったく見えないのです。もし、経営者の方がこの文面に目を通してくださっているなら、考えてみてください。あなたのご子息が結婚式をしたとします。日が明けて従業員に「社長おめでとうございました。とても素晴らしい披露宴でしたね」なんて言われると嬉しいはずです。ところが、従業員が一切その話題に触れなかったとするとどう思いますか?職場なんだからと割り切れますか?
それが人間です。
私の知っているある経営者は考えられないほどひどい人物がいました。とくに頭をかかえたのは社長夫人です。30歳をすぎてまだ独身の従業員の結婚についてのエピソードですが、たまたま会社に勤めている南米の夫婦の娘さんが日本に遊びにくることになりました。私はそのご両親と娘さんを浅草に観光で案内しましょうということになりその日を待ちました。
どこで聞きつけてきたのか、社長夫人は社の独身男性を一緒に連れて行って欲しいというのです。私には直接こう言ってきました。「竹島君と結婚させたいので」というのです。
私はそのときこう思いました。自分の息子がまだ独身で嫁さがしをしている最中です。だったら息子と一緒にさせたら良いのにと思いましたね。言葉も文化も違う遠い国の女性。両親が日本にいるからと言ってそれは大きな問題だと思いました。南米の娘さんが悪いと言っているのではありません。自分の息子に紹介できないのを他人ならいいんだ・・・ということです。これはただおせっかいにしかすぎません。
自分は良かれと思ってのことでしょう!彼のことはまったく考えていない証拠です。社長夫人は直接彼にもそれとなく話していたようです。それを知った彼は怒って私にこう言いました。「冗談じゃないよ!いくら俺に彼女がいないからと言って言葉も通じない女性となんかお断りだよ」と大憤慨だったのです。その奥には、日本人には縁がないから外国人ならに怒ったのです。
こういう現実は、直接は社長や社長夫人には伝わらないことを覚えておくべきです。勿論、娘さんと両親を誘い、楽しい浅草観光を終えることができました。私もその娘さんにお会いしましたが、結婚となると難しいでしょうねと感じました。彼を誘わず正解でした。
縁があって、社長の息子に彼女を紹介しようと家内と何度も日本のお嬢さんを引き合わせましたが、全部断られました。とっても素敵なお嬢さんなので良い友達になれたらなと思いましたが、まだまだ彼女の方が大人でした。彼の母親もそうした現実を知らないと思います。自分たちは違うんだといった驕りのようなものは伝わるってことです。本当に相手の気持ちになってということは人間に分け隔てがあってはいけないのです。(つづく)

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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