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 心の持ち方 Ⅷ

現在もこの倫理法人会の会員として学んでいる経営者は全国でとても多いようです。学んでいくうちに、「良いことを広めよう」ということで勧誘活動がありますが、私もここで頭打ちになっている状況を見ながら自分なりに分析をしてみました。会員の殆どが経営陣ですから正直言って癖のある人物ばかりです。モーニングセミナーが済むと希望者は朝食を一緒に食べながら情報交換も含めた様々な話が行きかいます。何度か顔を出しているうちに面白い場面に何度も出くわしました。
この人たちが経営者なんだとがっかりすること。この人と一緒に仕事をしてみたいと感激すら味わえる人。社員には決して見せられない姿等々人間だからと思いますが、つまり自分では実践できずにいる人(経営者)が多いことに気づきます。素晴らしいことを学んでもそれを実践できなければどうにもなりません。つまり「分かる」の定義です。学んでも決して分かっていない現状を見ることができたのです。
当時建設業に就いていた私は何かひとつ実践しようと毎朝会社の前の道路を掃除することを日課としました。会社を中心に左へ100mほど、同じく右へ100mほどを「ほうきと塵とり」を持って毎朝社員が出勤する前に掃除をするものです。雨の日以外在籍していた約5年ほど毎日続けました。もともと綺麗好きな性格でしたから掃除をすることには何の支障もありません。よくぞ毎日こんなにごみを捨てる人がいるものだと感心しきり。たばこの吸い殻は勿論、ペットボトルや本当にいろんな物が捨てられているのには驚きます。私が得た喜びは、毎日通る通行人の人たちとの「挨拶」でした。毎日掃除しているからか全体的にその区間はいつも綺麗です。夏などは掃除の後に水を撒く。気分は最高ですね!これを実行するには社員が出社する少なくとも1時間ほど前には始めないと始業までに終わりません。道路の清掃後会社の窓を全て開け始めると一人また一人と社員が出勤し始めます。ところがここで私には理解できないことにも直面しました。それは一日の始まりに一番大切な「挨拶」が出来ない人(社員)が多いということでした。この会社での私は専務取締役ということもあって特に率先垂範でと行動を重ねていました。本当のことを言うと掃除している姿は見せたくなかったのです。悲しいことに心の持ち方の貧しい社員もいて「俺たちに当てつけか?」といった風潮もあったので最初は出来るだけ早いスタートでした。
面白い人もいるもので明らかに掃除をしている私に気がついてもそれが私の後ろ姿であったりたまたま目が合わなければ挨拶は無しです。不思議だと思いましたね。ここまで続けると当然社員はおろか社長までが毎日の私を知ることになります。そして社長は朝礼でそれを誉めるのです。しかし、ここに問題が生じてしまいます。つまり普段人を誉めることをしない社長は誉め方を間違えて逆に反感を買ってしまいました。というのはその話題がみんなもそうしなさい的な厳しい命令に変わるからです。当然このときの社長は倫理法人会に入っていました。

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岡部俊雄

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