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 北国の春

春という響きは大好きです。4月や5月に生れた人たちは世の中が明るくなるような季節に生れて来たわけですね。私は雪国生れであの豪雪地帯で育ちましたから春の喜びはまた格別でした。
今と違って、子供の頃の冬は全ての道路が雪で車はまったく通れなくなります。今でこそ除雪車や様々な対策で真冬でも車両が通れるようになっていますが、雪国育ちでないと想像もつかないでしょうね。
学校へ行くのも、今まで近道していた道路も全て通行できません。降雪量だけでなくそれぞれの家から降ろされた雪で更に高くなった道路。平均すると道路と2階の屋根が殆ど一緒。町中で家が密集しているような道路は電線をまたいで通るなんてことも普通でした。
そうした環境に育った子供たちは遊びが上手でしたね。本当に遊びの天才でした。整備されていなかった川辺などは、自然な土手の姿にこんもり積もった雪と川のコントラストは今では中々見ることができません。
4~5ケ月振りに見る土に感動した当時を春先になると思い出します。春の芽は格別な色を見せ心を躍らせてくれました。
知らず知らずのうちに感性が磨かれていたようにも思います。そんな田舎ですから助け合うことも素晴らしい人情とともに覚えたのでしょうか。
窓を開けるとまだ外は真っ白でも春の風ははっきりと区別がつきました。勿論陽ざしも違います。閉ざされた冬の陽ざしよりはっきりと強い光を感動しながら浴びたものです。
時代がどんどん変わっていき、なかなか出会えない人情ひとつとっても最近の世の中は不安材料が多すぎます。
同じ春のはずなのに、今の時期が一番自殺者が多いことについつい考えさせられてしまいます。
希望や出発が似合う春だからこそ、心を強く持ってスタートラインとして欲しいですね。近くで苦しんでいる人がいたら、励まし応援するくらいな世の中であって欲しい。
想像もつかない豪雪地帯で育った者は辛抱強いと重宝がられた時代は長く続きました。口数は少なくともコツコツとよく働き信用された先輩方は多かったのです。
素晴らしい四季を味わえる日本人です。冬から春への移り変わりをもう一度何かの感動と出会えるような工夫をしてみてください。決して金のかかることではないので嬉しいことに出会えますよ。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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