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 友だち以上 恋人未満

少し話題を変えてみましょう。みなさんは片想いはどのくらい経験がありますか?
江戸時代であろうが、明治・大正・昭和であろうがその時代を生きてきた先輩たちの様々な小説やドラマを見ても恋する気持ちや生き方はその時代が背景にあってもやはり恋する人や愛する人を想うその様には感動させられます。
川端康成や島崎藤村、他にも多くの作品に目を通しました。また「愛と死をみつめて」が大ヒットし日本中が涙した時期もありました。ドキドキしてなかなか打ち明けられない状況を素晴らしい文学の中でみごとに表現した作品も目白押しでした。
考えてみると、こうしたドラマには現在では失われている家庭環境や社会情勢が大きくその影響を与えていると言っても過言ではないようです。それは、若者を取り巻く環境に温かさがあったように思うのです。温かさは勿論思いやりであり優しさです。ですから仮にお見合いで結婚したとしても相手を労わるというように人としての最低限の安心があったのではないでしょうか?
だからと言って今は今で生きていかなければなりません。ですから、せめて自分が選ぶ相手にくらいはその安心を与える必要があるということです。
私は素直に女性に片想いできる性格であったようです。中にはびっくりするような美人であったり、ひまわりのように明るい性格の女性、奥ゆかしく日本女性の代表ではないか等々たくさん居りました。片想いですから抱く気持ちは自由です。しかし、それはすべて片想いでずっとずっと実らないものでした。今の時代なら告白すれば良いじゃない!と言われるかも知れません。その頃は出来ませんでした。先ずは私のそんな片想いの話を聞いてください。
二十代前半のことです。私は東京でデパート勤務をしていた頃小さな劇団に入っていたことがありました。十一期生は私とまだ十六歳の女子高生の二人でしたが、同期ということもあっていつも席は隣り同士。多くの応募者の中から選ばれた彼女は当時お人形さんのように可愛かったです。二か月もするともうすっかり片想いです。同期ということもあってお稽古が終るとたまに喫茶店でお茶をするくらいにはなっていました。だからと言って劇団の仲間的な感覚でしたから話は盛り上がりますがそのほとんどが稽古や先生等の話ばかりです。一年もした頃でしょうか。劇団の発表会に二人はそれぞれ別の作品に選ばれて出演がきまったのです。私は「終わりの日」、彼女は「若者たち」。役柄が決定したのは6月中旬で発表会は8月の16日~18日の3日間。私は準主役に抜擢され化粧品のセールスマンを演ずることになりました。つまり二人は別々の会場で稽古をすることになったのです。
私は演劇が大好きで頑張りたかった。でも彼女といると楽しい。できれば時にはお茶でもできたらなと思っていたのは事実です。でも、この作品に集中したいとする気持ちから彼女にこんな話をしました。
「お稽古の期間はお互い会わずにそれぞれの作品がんばろうね!」そして、「その代わり千秋楽の幕が下りたら二人で食事でも行こうよ!」と約束をしたのです。彼女も大賛成で「私も頑張りたいから・・・」と。
そしてそれぞれの稽古が本格的に始まりました。(つづく)
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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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