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 心の詩 (童謡) 19-2

「波浮の港」の制作にあたり、実際には作者は現地へは行ったことがなかったそうです。
依頼をうけた野口雨情は、1枚の写真をネタにこの曲を創ったと言われていますが、後で地図を確認して「しまった!波浮の港からは夕焼けは見えないじゃないか」って焦ったようですよ。
それにしてもなんて想像性豊かな作者なんでしょうね。素晴らしい感性とともにコンビの中山晋平氏は同じように想像を膨らませてこのような作品が誕生したようです。
この作品を歌謡曲の走りと表現しましたが考えてみると人々の心に伝わるっていう原点はやはり童謡の旋律だったのかも知れません。
どこかゆったりして何故かマイナーで、共通して郷愁に富んでいて人の心を掴んで離さない。戦後どんどん流行歌が親しまれた裏側にはこのような童謡の影響があったからに他ならないと思います。
母を歌い、故郷を歌う、涙があって月や星が必ずと言って良いほど登場する。それらはすべて童謡なんでしょうね。
「波浮の港にゃ・・・」となるメロディーなどはまさしく童謡です。そして「夕焼け小焼け」はその集大成でしょう。だから中学1年の当時の私の心にも強烈に入り込んで来たんだと思います。
時代も一番良い時代だったかも知れません。今みたいにカラオケがある訳ではなく特にふるさとは詩そのままの田舎でしたから自然には事欠くことがありませんでした。
つまり、感傷に耽って何か自分が主人公のようで、口ずさむ舞台としては申し分なかったですね。
現在波島日本舞踊教室に通っている生徒さんの中に1輪の花を思わせる素敵な女性がいますが、現代っ子と思いきや、「私はいつか荒城の月を踊ってみたい」と言うのです。
荒城の月、なんとなく波浮の港にもその漂いは似ていませんか?現代っ子の心にも入り込んでくる詞とメロディー。
彼女の感性がオリジナルの舞踊とあいまって素晴らしい世界を表現してくれる日を楽しみにしているところです。
良い空気を吸い、素晴らしい歴史に裏打ちされた伝統や文化、童謡もまたしかりでもう一度見直す時期なのかもと思っています。

どんな作品でもいいです。知らなかったら両親やおじいちゃんおばあちゃんにたずねてみたら如何でしょう!それだけでも心が温かくなるそんな出会いがあるはずだから!

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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