2ntブログ

心の詩 (童謡) 30-2

浦島太郎 2

この作品はきっと日本人であればほとんどの人が一度は聞いたことのある昔ばなしだと思います。
それにしても浦島太郎の物語は不思議なことの連続ですね。

京都大学経済研究所・梶井厚志教授の「コトバの戦略思考」を読むと面白いことに触れているのが分かります。
最初に浦島太郎の大筋をおさらいしてみましょう。
「丹後で漁師を営む浦島太郎は、毎日熱心に漁をして両親を養っていました。ある日、小亀をいじめる子供たちに太郎は出会います。可愛そうに思った太郎は、小銭を出して子供たちから亀を買い取り、海に放してやったのです。数日後、助けた亀が現れ、太郎を絢爛豪華な竜宮へ連れていきました。
そこで太郎は乙姫様に迎えられ、お礼の大宴会で毎日見たこともない楽しい接待を受けました。
さすがに3年が経ったころ、太郎は故郷の両親の夢を見るようになり、宴会も楽しめなくなっていました。その様子を察した乙姫は、綺麗な玉手箱を太郎に渡し、この中には人の世界で生きていくために必要なものが入っていますが、もし竜宮に戻って来たいのならば絶対に明けて葉ならないと念を押してから、太郎を故郷へと送り出したのです。
戻った太郎は、自分が3年間と思っていたのは実は人間界では300年だったと知ります。頼れるものは玉手箱しかなかったので、ついつい玉手箱を開けてしまう。すると太郎はあっというまによぼよぼのお爺さんになってしまう」と、こういう話でしたね。
梶井教授はここから大変面白い角度からこの物語の奇妙さに触れています。
まず、優しい心の持ち主である太郎が何故両親に会えずにお爺さんになってしまったかとその不幸を疑問視しているのです。まだ面白いのが、亀を助けるために小銭を払ったことが問題だとも言っています。
つまり、子供たちは亀をいじめたら小銭が貰えるんだと思うことの危険性を危惧しているのです。太郎の行為は好意ではなくもっと多くの亀の被害が出ることを助長したにすぎないのではと。
しかし亀の側からすれば助けてもらったことは間違いのない事実で太郎は善人なのです。
それでは太郎が受けた仕打ちはどう考えたら良いのでしょうか?(つづく)

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
チーフ・プロデューサー
演出家

最新記事
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード