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 戦場からのラブレター

広島に原爆が投下されやっと戦争が終わった。その代償はあまりにも惨く大きすぎた。もうこうした戦争の悲惨さを知る者語れる人々が本当に少なくなりましたね。
戦後65年が過ぎた今、人々の心がどんな風に変わっていったかをもう一度考えるそんな日が今日なのかも知れない。 8月に入るとテレビ各局で様々な戦争の悲惨さを紹介していますが先日のNHKクローズアップ現代ではまた新たな形の悲劇が紹介されました。
たまたま夕食時でテレビを見ていて良かったと思う。「戦場からのラブレター」がそれです。
式を挙げてすぐに出兵した人、子供がまだ乳飲み子で戦場へ招集された者。普通に恋愛中であった二人が引き裂かれるように出征した者等様々ですが、あの過酷な戦場にあってやはり兵士たちの想いは母であり妻であり恋人だったのです。
文面をいちいち列記できませんが涙なしでは聞けないものばかりでした。極限状態にあって尚愛する者への心の内はそれぞれが独立したドラマとなって伝わって来ます。
昔の映画でこんなシーンを思い出します。南国諸島にいる青年兵と日本に残された女性が月夜の晩に語り合うシーンです。夜何時頃にあの月に向かって一緒に語り合おうと約束をした二人は涙を流しながら会話を続けるのです。思春期の頃に見た映画だと思いますがその心はとってもよく理解できました。人を想う心の大切さみたいなもの。それが今回それ以上の内容形となって放送されたのです。
驚いたのは表現力の凄さでした。これはおそらく現代の若者では決してこうはならないであろう文面です。
愛するということ。好きだということ。大切だということが切実と伝わって来るのです。
中でも、ある日本兵が戦争への疑問を感じたエピソードとして紹介されたのは、こんな美談でした。上官から敵兵中国人の妻子を殺害するよう命じられるのです。自分にも同じくらいな幼子がいたこの兵士は、体を張って上官に逆らい、母子を放免させたのです。
このことを戦地から妻への手紙に書きつづるのですが果たして検閲の厳しい中でこうした手紙が無事妻の元へ届くのかと疑問に思いながら聞いていました。
しかし、現実にはこうした軍事郵便物は多い時で年間4億通も扱われたそうですから検閲は不可能のようでもありました。心の支えがあってこそ頑張っていられた兵士(軍人)たち。故郷で待つ家族や恋人たちも戦場からの手紙は何よりも心の支えだったようです。
人を大切に想う。愛おしく想う。心と心、そうした絆をもう一度平和な中でこそ築きたいものです。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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岡部俊雄

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