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 「てっぱん」に魅せられて

現在、私の中ではまっているドラマが2つある。
一作は韓国ドラマ「イ・サン」。そしてもう一作は朝の連続テレビ小説「てっぱん」だ。尾の道と大阪が舞台のこの「てっぱん」は何故かぐっとくる人情ドラマに仕上がっている。チーフ・プロデューサーの海辺潔氏は制作にあたってこんなコメントを残している。
『味やにおい、声や肌の柔らかさ・・・・。家族を思うとき、その顔だけでなく、五感すべてで甦ってくるのは、家族が五感の積み重ねでできているからかも知れません。「てっぱん」は、全く違う文化、価値観で生きてきた孫と祖母が、ひとつの家族になっていく物語です。
その過程で、お互いの壁になったり、近づくキッカケとなるのが、味の記憶、音の記憶です。
共有する記憶を持たない二人が、五感をフルに使い、互いを理解していく旅なんです』と
ドラマは脚本とキャステングで決まると言いますが、その取り巻きが実に素晴らしい。中でも祖母役の富司純子のシーンを見ないことには一日が始まらないほどだ。
何か劇場の大型スクリーンで見ているような錯覚すらしてしまう。心の動きの表現の巧さは忘れかけていた何かを甦らすような抜群の演技なのだ。主役の村上あかり役の瀧本美織も素朴さを秘めたフレッシュなヒロインで好感が持てる。
この物語が現代の忘れかけた日本の故郷を思い起こさせているのも嬉しい。そして語りの中村玉緒さんが素晴らしい雰囲気で作品を盛り上げているのも楽しい。
最近のやかましく賑やかなテレビ番組の中にあってさすがNHKって感じがする。この番組の中にも非常に漫画チックで賑やかなシーンがないわけでもないがやっぱり質が違うのは制作スタッフの心意気から来ているんだろう。
孫のあかりとおばあちゃんのやりとりで何度じーんと来たことか。大阪特有の人情劇では決してないが、それぞれの個性をうまく表現させているところに惹きこまれてしまう要因があるのだろう。
改めて本物の表現師(富司純子)に出会えたことに毎日が充実しているように思える。それだけ素晴らしい作品がこの「てっぱん」だ。
まるでNHKのまわし者みたいに聞こえるかもしれないがリアルタイムで見れない人は録画という機能を活用して人生を楽しんでもらいたい。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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