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 ふた通りの涙

私は「一生懸命」という言葉が大好きでその言葉通りの人生を歩いて来たように思う。一生懸命やっても一生懸命やっても失敗する。そんなことも多かった。ところがそこは持ち前の明るさが私を救ってくれたようだ。
人一倍辛い経験をしても直ぐに立ち直る。それは考えても仕方ないことは考えないという切り換えがはっきりしていたからだ。だからと言ってその辛さや苦しみが消えた訳ではなく到底口でなど言えるものでないほど厳しいことも多かった。普通ならここで首をくくるんだろうなって思うことだってあった。
そうした苦しみはいくら考えても他人(ひと)には決して頼らないし頼れない。一生懸命やって来たからそれだけいろんな経験もさせてもらった。
これもまた普通では考えられない素晴らしい人との出会いに結びつく。考えると人生って実に楽しい。
そんな中で段々と自分が本当に好きな言葉ってなんだろうの答えがあったことに気づく。私にとって今一番大切にしている言葉が「夢」だ。
講演会などで色紙を出されたときなど決まって「夢」と筆を執る。そうしてもう20年近くが経とうとしているのだ。
だから物事に真剣で一生懸命な人は大好きだ。まして夢に向かって輝く若者を見るとまるで自分の子供のように応援したくなる。夢に向かって一生懸命な人に嘘はないからだ。
ご存知のように昨日、とうとう神宮大会でまで斎藤投手は胴上げ投手になった。何か持ってる!本当に!
勝利の瞬間、秋空に両手を突き上げ大学生活の締めくくりにふさわしい映像が流れる。部員全員が整列をしスタンドに向かって深々と頭を下げたが斎藤だけはその何秒も経ってからゆっくり顔を上げたのだが目は真っ赤に号泣だった。
若者に人生での青春時代の1ページにすぎないかも知れないがこのシーンにおそらく全国中のフアンが釘づけになったに違いない。こんな涙だったら何度でも見たい。英国のウイリアム王子の婚約に幸せなニュースで英国中が笑顔になったが斎藤の爽やかな涙がそれ以上だってこともここに記しておきたい。
そしてもう一人、演歌の大御所作詞家の「星野哲郎先生」だ。お世話になったそれぞれの歌手から感謝の涙が溢れ出ていたが、この作詞家こそ多くの素晴らしい人生の応援歌を世に送り出した先生(さくしか)であろう。生きることへ諦めないことを教えた応援歌。昭和を代表する昭和そのものがまた一つその灯を消していったようで悲しい。星野先生に流した涙は心からの感謝の涙だったに違いない。
私も考えてみると本当に多くの夢や希望を与えてもらったようにも思う。夢を持てるって幸せなことだ。どんなときでも夢を持ち続けているかぎりそこには嬉しい涙しかないことを覚えておきたい。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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岡部俊雄

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