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 お墓参りの思い出

私は寺の子として生まれましたので、お盆や初詣、またお彼岸といった行事は特別な思い出がいっぱいです。除夜の鐘ととも新しい年を迎える頃は毎年しんしんと雪が降り小さな手を火鉢にあてながら父の隣にちょこんと座って檀家の皆さまにご挨拶!
戦争で鐘は取られてしまったそうで午前零時を迎えるとど~んどんと大太鼓が打ち鳴らされます。雪で車1台通らない町は本当に静かです。当然各ご先祖のお墓はすべて雪の下。
お盆はまったく違います。いつも遊び場になっている墓場は草ぼうぼうですがお盆の1週間前くらいから各檀家のみなさんが草取りをしお墓を洗い綺麗に掃除をしていくので見違えるほど綺麗になるのです。
お墓には全て灯篭が設置され、灯が入るとそれはそれは幻想的で綺麗です。
ここで、面白い思い出ばなしをお聞かせしましょう!墓参りには必ずといっていいほど祖先(墓)にお菓子や果物が供えられます。祖先にあげた供え物を前にそれぞれのご家族は静かにお参りをします。ここまでは何でもない光景です。ところが、近所の子供たち(殆んど男子)は小さな紙袋を持って墓の後ろにスタンバイしているのです。つまり、皆さんのお参りが終わるか終らないうちに、まるで幽霊のように墓の後ろから小さな手がいくつも伸びてきます。お供え物を盗らんがためです。
墓前にあげた大人たちはそのことを知っていて、「お参りが終わったらね!」と返って来ます。まあ暑い夏場ですから腐らせたり虫に食われるよりとニコニコ見守ってくれましたね。
子供たちはお供えを盗り終えるとみんながどれだけ盗ったかを見せ合うんですね!私の忘れられないシーンはそんなときにありました。大きなお菓子だな~・・・と期待し、お参りの終るのを待っていました。そろそろいいだろうと思い、急いで掴んだら「グニャ!?」・・・・・
何か想像を絶する感触!?掴んだのはなんと「ぼた餅」だったのです。周りは暗いからそれが何だか分からない?お供えした大人は大笑い!
おっと待てよ!私はお寺の子だったのに・・・(笑)
この時期は、都会に働きに行っていた人や親せきの人に会えるので「帰省」ということには特別な感慨がありましたね!
なかなか忙しく、それこそ帰省が叶わない今、せめてとお花を贈らせて頂きましたが、私はゆっくり浅草の東本願寺へお参りに行かせて頂きました。境内に入るとその雰囲気は何かが蘇るようです。
お墓参りも昔と今とでは変わって来ましたが、コンビニに売っているラップされた物と違いやはりぼた餅を思い出しますね!お供えにも本当に心がこもっているようで不思議な温かさを感じます。

 ありがとう!感謝の心こそ幸せになれる秘訣です。素晴らしい人生を!
 優しさや笑顔に触れて温かい気持ちになれるように、あなたの真心で!
 ご感想は shiawasekazokuyt@nifty.com まで

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岡部俊雄

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