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 おふくろの味

今年もまたお盆がやってきた。
私が生まれたのもこの猛暑だったんだろうがそれでも越後の山々に囲まれ空気の良い田舎は過ごしやすかったに違いない。
祖父母も両親もすでに全員田舎のお墓に眠っている。 それから一人ずつ親戚の叔母や叔父が逝ってしまい、子供の頃の懐かしさがもう故郷には残っていない。
車で少し走ればあの盆地には大型スーパーがある。考えてみれば、叔母や叔父がいて初めて親戚付き合いがしっかりしていたように思う。
上京して私はときどき包丁を持ったりコンロの火を点けたりするが、それは何を隠そう「おふくろの味」が恋しいからだということが最近つくづく分かった。
家内はとっても良くしてくれ何の不自由もないし料理が不味い訳ではない。むしろ上手な方だろう!
しかし、私の作るお味噌汁や玉子焼きはまさにおふくろの味そのものなのだ。
教えてもらった訳じゃないのにまったくその味が出るから不思議だ。

最近は、デパ地下(食品売り場)に行くと美味しい料理が本当に沢山並んでいる。
煮物やきんぴらごぼう他懐かしい惣菜でいっぱいだが私が子供の頃は全て日常的に家庭の茶ぶ台に並んでいた。
普段の母は着物に白い割烹着がトレードマークだった。
家に帰るとアイロンをかけていたり縫物をしていたり、セーターを編んでいたり、今で言えば学校へ持って行く弁当のおかずは結構豪勢だったんだと思う。
どうしてこう各家庭のお母さんは料理が上手だったんだろうね!そう考えると幸せだったんだ!
よく昭和の時代というが考えるとその美味しさはそうしたおふくろの愛情たっぷりの料理だったからなんだろうと改めてその偉大さに脱帽だ! 今頃感謝しても遅いのかな?
いや、私がときどきお味噌汁を作ることだけでもきっと感謝でいっぱいだからなんだと思う。

いつも家族が集まり、みんなで「いただきます」をしてから食事を頂く。
確かに考えてみれば食事は一人で食べるよりみんなで食べた方が美味しい。
昔と違って今のお母さんも男性に負けず何かしら仕事をしている人が多い。言いかえれば子育ても含めたら女性の方がはるかに重労働かも知れない。

男性だって味噌汁くらいなら作ろうとすれば出来ない訳じゃない。やってみると家内のありがたみが身にしみて分かるはずだ。

おふくろという響きも素晴らしいが、そのおふくろの作ってくれた味は決して忘れられない。
せめてお盆くらいはゆっくりおふくろのことでも思い出してみようか!?
いやいや親父のことを忘れている訳ではない。 しかし男はどうしてもおふくろなんだろうないつまでも。


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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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