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 日本の心 その美しさ

先週台湾から研修会依頼の連絡が入った。
なんと最近台湾に進出した「老舗日本旅館」台湾店からだ。

当時は私もまるで他人(ひと)ごとのように、日本の礼儀やしぐさの美しさを果たして外国の人が表現できるのだろうか?と案じていたのだ。
日本国内でもトップクラスの老舗旅館なのに・・・・!

お客様は台湾の富裕層を狙った商法で、諸外国からのお客様も台湾で日本のその良さを味わえるというものだ。

当初この旅館が台湾にオープンしたときは正直大丈夫だろうかと感じたのは「日本式接客」がいかに難しいかだからだ。
着物(ユニフォーム)を着て正座すれば挨拶したように思うがそうではない。
「和の心」がそこにあって、それがおもてなしにつながり相手の心をとらえて離さない! 日本人でも最近は難しい。
華道や茶道、日本舞踊を習ったりと様々な習い事があってそのひとつを会得するのも容易ではない。

実は私は先日波島陽子日本舞踊教室で衝撃を受けたばかりだった。
来年の舞台に向け人生経験豊かな先輩格のみなさんが合同稽古をしていたときのこと。ずっとそのお稽古風景に目をやっているうち、いつしか涙ぐんでしまっていたからだ。
この構成は5人がそれぞれの構成の中で美空ひばり作品を舞うのだがひと口で言えば実に味があるのだ。
上手くは言えないが、「昭和の良き時代」を生きてきた人たちだからその作品が心に入りごく自然に舞うことができていたのだろう!
この構成を組み立て振りつけた師匠も凄いがそれを心で表現できている踊り手さんはもっと凄い!そう思った!

つまり、心で表現できることこそ相手を感動させられるということだ。

私は、台湾の女性軍(仲居さん)たちの研修に燃えた!
ありきたりのテキストを教えるのではなく、「日本の心」こそ大切な研修内容だということだ。
正座して挨拶をする姿(かっこう)だけなら猿回しのお猿さんでもできる。
温かさやおもてなしの心をどう持つことができるか!?  とてもまとめ甲斐のある仕事だ。

浅草のお稽古場で全員が浴衣を着用し日本舞踊を通じてその着こなしの美しさを波島先生に指導して頂き、長年社員教育に関わってきた私の経験の集大成をそこにぶつけてみたい。
通訳を通してでも、心を訴えることならできると思う。

中国でも伊勢丹ができ、その心を表現しようと一生懸命「いらっしゃいませ」を中国語で挨拶にしているようだがそこには無理が多すぎる。
そんなとき、いかに日本人が素晴らしいかが改めて認識させられるのだ。
日本人のいらっしゃいませには本当に心が添えられているのだ。

私の青春時代は名古屋の老舗だったからこそそれがよく分かる。当時はただ若さだけで突っ走っていたようにも思うがそこはやはり元々れっきとした日本人だからできたことだ。
日本人のお客様こそ怖い! 優良店になればなるほどそう感じて育った。

しかし、九州や三重県・長野県や沖縄から集まった新卒(高校生)者がその研修で見事やってのけていたのだ。
立派なお店(会社)は従業員で決まる。
確かに音頭(方針)をとるのはオーナーだが実践するのは現場の人間だということ。

教育費に金(経費)をかける会社は成長すると感じたのは私の青春時代の経験からだ。
今回の台湾のオーナーの気持(おもい)は手に取るように分かる。
箱ものは出来た! あとは中身だ! その大役を任せられる責任の裏側に大きな喜びが見える。

台湾だからでなく、日本の心を伝える場に遭遇できるなんて想像以上に幸せを感じる。

プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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