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 燦陽譜 4

かずき

瀬名かずき

これは彼女の出発に際し、歌手としての活躍を願って付けられた新しい芸名です。

歌手になりたいと故郷広島を離れ、その夢を諦めずに頑張っている瀬名かずきのお話です。

都内の大学を卒業し一人でその夢に向かっていましたが芸能界はそう甘いものではありませんでした。

私が彼女に出会ったのはもう1年と3ケ月前lくらいでしょうか!?
歌手としての登竜門(全国大会)で、あるコンクールは3000人以上の応募者なんだそうです。
最初そんな規模のコンクールに出るとは思っていませんでした。

演歌等々、仮にそれがドレスであっても、「歌う姿勢(しぐさ)」に自信がないと、と日本舞踊教室の門をたたいて来たのです。
本人が選んだ作品(曲)は前川清のバラード調のものでした。
初めて耳にした時、「んんんんんんん!!!!」  ・・・・とつい唸りましたね!  上手い!!

仕事柄私は長年プロの歌手との関わりの中で生活していました。  小林幸子・堀内孝雄・ピンクレディー・森進一・等々を始め、数えきれないアーティストの舞台を企画しディナーショーやコンサートを行ってきました。
リハーサル風景や本番でのスピーチ。 勉強になることばかり!
何故この歌手が人気があるのか、何故すたれて行くのか等がハッキリ分かるようになったのも、その人間性にまで触れられる位置に居たからなんですね。

昔、「きっとこの歌手がレーコード大賞だろう・・・! 」「この人が新人賞だろう・・・」、で5年連続受賞者を当てたことがありました。
それも、年末になってではありません。 その年の8月頃に友達や仲間に公言したのです。
それほど歌に関する勘は人一倍するどかったようです。

勿論、私も歌は大好きです。   名古屋にいるときはよくお客様とのど自慢大会荒らしをしたものです。
もっと言えば、当時の歌謡曲は私にとって生活の一部であり、身体の一部だったようにも思います。

その後独立して制作会社を立ち上げ、様々なプロダクションによく行きました(打合せで)。
そんな経緯があって多くの一流アーティストにも会うことが出来ました。  逆になかなか芽が出ない歌手・新人歌手。
しかし、歌手になりたい・・・とは本当に一度も思ったことがありませんでしたね。
というか自分を知っていたんだと思います。

「この女性は素晴らしい歌い手になる」・・・・・・、そう見込んだのに酒が好きでとうとうその美声が出なくなった人もいました。
今でもたまにNHKの歌謡番組等にも出演しますが、もう最初惚れ込んだ時期のような声は出ません。

制作会社を立ち上げてからは、本当にいろんなジャンルの芸能人とも仕事をして来ました。
テレビ局・ラジオ・舞台、数えたらきりがありません。

そうした背景を持つ私はタレントや歌手を所属させてなどというプロダクションのようなことには一切手を出しません。
今は、「波島陽子」を日本一の日舞の指導者にしたい。 これが夢でそのプロデュースをやっている訳ですが、最近では生徒さんもとても多くなり、少しずつプロも入会する中で出会ったこの女性が唄大好き人間だったのです。

昨年、決勝に残った彼女が唄い方(しぐさ)を習いに来た訳ですが、この子ならと猛特訓してもやはり大会では3位にまでは入れませんでした。
それでも、好きなことは諦められないんですね。
彼女は将来を見据えて「日本舞踊」を習う決心を!!  素晴らしいことだと思います。
その心根と素晴らしい歌唱力に、「なんとかプロになれるようひと肌脱ごう・」・・・、そう思えたのです。

それから彼女は私に弟子入りし「岡部塾」なるものに通い始めました。 あれから1年が経ちました。

普段、私が行う指導の目的はあくまでも波島陽子の援護射撃です。
波島が教えた振りの真髄に気づき、少しでも美しい舞いが見せられたら本物だからです。

冒頭で申し上げたように私はその子たちを営業しようとは思いません。 この会社がそうしたことを行う会社じゃないからです。
それでも、力を着けたらきっとどこかの事務所は黙っていないだろう・・・。 そう確信しているのは事実です。

「こんなに凄い金の卵がここにいるぞ!!」  その自負心だけは持っています。

彼女と初めてカラオケに行った日のことを今でも鮮明に覚えています。
アニメソングが上手い!!  上手い・・・と言うよりもうプロです。 なのにそうした仕掛け人、つまりプロに会えない世界でもがいているだけだったんですね。
ささきいさお・堀江美都子・水木一郎は本当によく仕込んで一緒に仕事をしたものです。  大杉久美子というあらいぐまラスカル等を唄うアニメ歌手もおりました。
素晴らしいことを知っていてある祭りに仕込んだのですが、全く声が出ないでマイクを持つ姿も見ました。
歌手生命を断たれた瞬間でしたね!  節制の足りなさが原因だとしか思えません。
そんな環境下で誰よりもアニソンは聴いた方だと思っています。
そんな関係で私も聴く耳を養ったのは事実です。 その私が言うのだから間違いありません。
アニメソングを聴き、更に私にそんな背景があって彼女の指導に乗り出した訳です。

今年に入って私は、「日本一歌唱力選手権」なる番組を目にしずっと聴き入っていました。
私が優勝だと思った歌は準優勝でしたが、そこで震えのくる作品に出会ったのです。 その準優勝作品。 勿論素人(参加者)の歌を聴いてたわけですが、「これだ!」・・・と思ったのが「お父う」という楽曲でした。
「これだ!」・・・は彼女に合う・・・という意味です。  やはり圧巻でしたね。

それからその作品を練習させ、ある記念の舞台(ディナーショー)に立たせました。
そこにはオペラ歌手や演歌歌手合計3名のゲストが舞台に上がりましたが、ひいき目抜きで彼女が一枚上でしたね。
私の指導は間違っていない!!  ここで私は更に自信を得たのです。

彼女は歌手になれる。    これは大きな出来事です。
勿論、まだまだですが、何が足りないか、何が素晴らしいかを私がこの心でハッキリつかめたのが大きい。

芸事はお世辞が利かない。 その通りです。
しかし、彼女はきっと観衆の心をつかめる表現師になれる。 そう確信できました。
修行など、そんなに甘いものではありません。   歌手にとどまらず、役者にしても、自分のことなのに楽な方楽な方へと舵を切る若者が多いこと。  それに感性が無さ過ぎる!!
誰が本人なんだい!!  そう叫びたくなるのも度々です。

何かを得ることは何かを犠牲にしなければならない・・・。 そうしたことも実感とできない者が大成する訳がない。

私の恩師に作詞家の先生がおりますが、その先生が彼女に作品をプレゼントしてくれました。
久々に素晴らしい曲に出会いました。  その先生の名は「竹内秀秋先生」です。
録音し、その歌唱を先生に聴いて頂きました。
「これは素晴らしい!!」・・・と涙をこぼして感激していました。    
今秋に波島陽子芸能生活30周年の舞台が浅草公会堂であります。

彼女は、日本舞踊の舞台で堂々とマイクを持ちます。
竹内先生の作品「花紬」、歌唱力選手権準優勝の作品「お父う」をご披露いたします。

初々しくも、心ある歌声を聴くことができます。

「瀬名かずき」としての初舞台が素晴らしいデビューになることを心から祈って止みません。

燦陽譜のもうひとつの目玉ですね。



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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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