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 感謝の気持ち 3

人間には昔から変な習性みたいなものが身についています。極端な言い方をすればお中元やお歳暮等の挨拶。旅行に行ったときの土産、勤務先でよく目にする「心配り」等々。これは時代劇を見ればそのルーツが分かる気がします。
それらは大きく2つに分かれますね。つまり「心から感謝の念を込めて」という部分と、もうひとつは人間本来の欲望から出てくる損得を意識した行動です。前者の場合は人間関係も理想的に素晴らしい状況が容易に見えてきます。差し上げる方も受け取る側にもお互いに限りない感謝の気持ちが伝わってくるものです。
そうかと思えば後者の場合はドロドロとした決して誉められない立ち居振る舞いです。ご存知の「忠臣蔵」ですが、浅野内匠頭が江戸城中松の廊下で吉良上野介に刃傷に及び切腹となったことに大石内蔵助以下47人の家来が仇討をするという実話がそれに当たります。
刃傷の理由は様々な説がありますが、その中のひとつと言われているのが賄賂です。これは先ほど述べた後者に当たるもので現代で言えば非常に醜いものです。役職を利用して当然多くを求めていた吉良上野介に常識として対応した浅野内匠頭の貢物に怒り意地悪をするというものです。ドラマでは、「この田舎侍が・・・」等これでもかと繰り返される意地悪に切れての刃傷沙汰。
判官びいきの日本人には源義経と同様時代を超えて語り継がれています。これは現代にも通じることですが、人間という者は弱いものでどうしても自分可愛さで或いは自分本位が抜けなくてこうした慣習がまだまだまかり通っているのです。 古い体質の政界(ある政党)でもこれに似た出来ごとの中で「天下り」等の諸問題が横行して来ました。と言うことは300年経った今もまだ変わらないということです。
人間本来の優しさや感謝の気持ちをもって行動すればこうした醜いことは起こりません。ここで大切なことや面倒なことは、求めている張本人が気付かないということです。これは性欲や金に対する欲望と同じで自身では抑えられなくなっていることに問題があります。中でもずる賢い者は分からなければ良いと思うから面倒ですね。
もし本当に感謝の気持ちがあれば決してこういう問題は起きません。謙虚さが加われば尚更のことです。例えば友達や同僚、取引先の人との飲食のときにその人の胸の内が本当に良く透けて見えます。
「気持ち」とは、決して高級料亭やレストランでなくて良いのです。心と心の触れ合いに「潤滑油」として一席設けるのであれば自ずと場所は決まります。誘う方も誘われる方も気楽に行動し、お世話になったお客様や先生に対する感謝の表し方も新しい在り方があるはずです。相手の心が伝わらない。相手に心が伝わらない。時代がどんなに変わっても「ありがとう感謝の気持ちは惜しみなく」ですね。(つづく)

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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