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 心の季節に思うこと

さくら

  さくらの苗が 大きく育つ頃
 僕らはみんな 大人になるんだ
 あいつとこいつ あなたと私
 真っ赤な頬っぺを しているが

     日照りのときも 冷たい雪の日も
     負けたら駄目だぜ 僕らの夢は
     いつでもお前と 仲良し子良し
     空までぐんぐん のびてゆく

          嬉しきゃ泣いて 悲しきゃ笑うんだ
          仲間がみんな 見てるじゃないか
          それでも淋しきゃ 大きな声で
          呼んでみるんだ 「母さん」と

              冷たい風は 僕らをためすのさ
              白い粉雪は 花びらなのさ
              泣いたら駄目だぜ そこまで春が
              来てるじゃないか 手を伸べて


これは私が子供の頃、テレビから流れてきた連続テレビ映画・木下恵介劇場「記念樹」の主題歌です。

それほど意味は分かっていないのに、子供にして、田舎にいて、なぜか心地よい郷愁のような不思議な風を感じていたことを今でも覚えています。

言葉に響きを痛烈に感じ、詩集や俳句をよく読みあさったことも懐かしい少年時代の思い出です。
「二十四の瞳」にあるように、子供たち(生徒)が先生を慕うなんとも甘酸っぱい感情。
今では浅草に住んで15年。 私が東京に飛び出してまもなく浅草橋でアルバイトをしていたことがありましたが、考えてみたら私はこの界隈が棲みかなのかもしれません。  それが証拠に浅草橋から浅草に帰って来たようなものです。

大好きな故郷があっても、みな故郷を離れいろんな人生を送ったでしょう。
例に漏れず、私の人生全てが無我夢中な青春時代であったように思います。

考えてみたら何がやりたかったのか模索の連続でした。
しかし、全て共通して言えるのが「私の生き方」でした。
人懐っこくて本当に多くの人に可愛がられる何か自分でも分からない性格がひとつひとつ自分を大きくしていったように思います。
人一倍好奇心旺盛だった性格は未だ健在! 物事に興味を示すその心根は現在のどんな若者にも負けないバイタリティがあって自分を今日まで支えているんだと思います。

少年時代は別として、浅草橋から始まった私の人生!  好奇心旺盛な性格はどんどん職を変えいろんな企業で自分磨きをしてきたと言えます。 波乱万丈の末、その多くの自分磨きは結局また浅草橋の隣りを終の棲家に選んだんですから!!
すぐそばに観音様が鎮座しているのも不思議なご縁です。

桜を観るたびに懐かしさに包まれ、優しい気持で今年もまたこの1枚を収めることが出来ました。

この1枚に、私にはいろんなことが思い浮かんで来ます。
世の中がこれほどめまぐるしく変わっているのに、この時期に必ず変わらない顔をみせてくれる美しい花。
大きな樹に抱きしめられるように優しく咲き誇る桜
私は見事な桜をみるのも好きですが、しっかりと大木にしがみついているこの桜がたまらなく好きです。

先日、可愛い女の子が母親にこんな質問をしていました。
「ねえ!ママ・・・。 幸せってどんな味?」「どうしたの?」「だってね!おじちゃんが、幸せをかみしめて・・・・っていってたから」。
お母さんはとっても良い答えを話していました。「それはね!心で味わうものだから・・・もう少ししたらわかるわよ・・・」。
忘れないようにしましょう。 だったらみんなで味わえるものね。

これだけのお話なのに何かとっても温かい気持ちになれませんか!?
そうなんです! 桜を観ているとなぜかいろんな優しさに包まれ幸せが寄ってくるような気がするんです。
いつだったか立原えりかさんの「花かんざし」を紹介したことがあったと思います。
優しい愛に満ちた心根に触れるだけでこんなにも心が豊かになるんだ・・・・! それを子供の頃に知ることが出来ただけでも私の大切な財産となりました。

雪国はまだ雪に覆われているところが少なくありません。
都会で知った便利さは故郷を眺めてその大変さが分かりなかなか故郷へ帰りたがらない。

しかし、この1枚を撮ることを覚えたのは少年時代のあの心があってシャッターを切らせるのです。
この桜こそ私の心を掴んで離しません。

森信三の言葉に「人間は一生のうち、逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。」・・・と
四つ葉のクローバーを探す名人だと言われ、「それは妖精と話せる心があるからなんだね!」・・・と明星大学の井村君江先生に言われた平成3年頃。  あの山本直純先生が私の自宅に来てくださったのも同じ頃でした。
イギリスのコーンウォール(マラザイアン)から持ち帰った妖精のお庭を観て直純先生は感動し私の心根を褒めてくれたことを覚えています。

4月3日は夕方都内は信じられない雷に驚かされました。 でもあの日私はカメラを持って最高のポカポカ陽気の中隅田川沿いを散歩していたんです。 まだ満開には少し早かったんですがこの大樹にしがみつく桜はとても感動しました。
さっそくプリントし私が大切にしている人にメッセージをつけてこの写真を贈りました。

ずっと観ていて思うこと、「ああ!今年も素晴らしい春を迎えることが出来たな~」
そう思えるだけで言い様のない幸福感を覚えます。  これを幸せと思えるのはやっと豊かな心を持てるようになったからだろうかと何度も自問自答しています。

アメリカがシリアを攻撃した! 映像を見る限り、例え事情がどうであれこの平和な世にむごすぎる!!  私はこの桜(写真)について豊かな心を語っている訳だからなんて日本は平和なんだ。
そう思えば尚更この桜が愛おしく思えるんです。

自分のことしか考えない輩が増え、殺伐とした世の中にロボットが出現し誰もがスマホなるものに引き回されている。
せめて、心くらい穏やかで優しくいないといけないんじゃないだろうか!?

寂聴さんの言葉に、「人を愛すると 想い悩み苦しみます  しかし、愛の苦悩を味わえるということは、それだけの想いを注げる大切な存在があるという事 それはむしろ、とても幸せな状況だと思いませんか」 と投げかけている一節があります。

人を愛することも、花を愛でることも、素直な心、感謝の心あればこそです。
人の喜ぶ顔が見れる幸せを大切にすることで、私は本当の幸せを知ることが出来たように思えてなりません。

おかしな天候は地球温暖化を引き起こした全て人類の責任です。
綺麗事ならなんとでも言えます。
人は一度、人生を賭けるほどの本気さが必要だね・・・とある音楽業界の社長が話していました。
本気になって生きてきた人間にはその意味がとてもよく分かり、大きくうなづくことが出来ました。

心ある人間なんだから、優しさの分かる人間なんだから、自然に向ける目(こころ)くらい正しく養っていきたいものですね。
損得ばかりで動く昨今。 儲け一点張りが人を押しのけ、人間関係をぎくしゃくさせてしまっています。
まして、便利さにかきまわされて人の心が失われようとしている昨今。

花見のこの時期に、改めて自分の心を洗い直してみたらどうだろうか!!?

人間だからこそ失くしてはいけないものがあることに気づくはずです。
便利でなくていい! 温かい心に触れられるんならね。  そう思いませんか!!?








  


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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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