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時代劇の素晴らしさ

昨日、映画監督の宮越澄さんと楽しいひとときを過ごさせて頂きました。
まだまだ青春真っ只中と言えるほど同席した若者も舌をまくほど。

宮越監督の実績は偉大で、500本もの作品を監督、テレビでは「遠山の金さん」
「暴れん坊将軍」でお馴染みの監督です。
ずっと温めていた「本物の時代劇」を創りたいと最近その夢が更に膨らみ、私の人生の集大成として成し遂げたい夢の実現に向けご相談したいとの申し出に快く応じて下さったのです。

本物の時代劇!?  では、現在の時代劇は偽物なのか!? この問が来たら、「そうです偽物です」と答えます。

現在の若者はアニメを含め、時代劇に関する表現がまったく変わってしまっています。 私は子供の頃に祭りで観た浄瑠璃や旅芸人の歌舞伎。訳も分からずその雰囲気を肌で感じ、映画は大河内伝次郎を初め、市川歌右衛門、片岡千恵蔵、中村錦之助、大川橋蔵、東千代乃介、大友柳太郎、月形龍之介、堺駿二他、女優陣は大川恵子、桜町弘子、花園ひろみ、千原しのぶ、丘さとみ、そして美空ひばり。
東映の時代劇全盛時代を熟知してきました。 勿論、大映や東宝、松竹、新東宝等々の時代劇も多く観ました。

東映以外では三船敏郎、アラカンこと嵐寛寿郎、長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎等々。
つまり昭和の25年くらいから45年くらいの時代劇全盛20年。
東映の時代劇が下火になりかけると登場したのが高倉健にみるヤクザ映画。
池部良、鶴田浩二に絡む藤純子等々までがその良さの遵守者じゃないだろうかと思っています。

現在、この美しい着物さばき、着こなし等の出来る俳優は残念ながら皆無と言って良いでしょう。
歌舞伎や能の世界は日本の文化遺産とまで言われるランクで伝統芸能として今なお大切にされ活躍もされています。

では、映画やテレビに見る現在の時代劇はどんな立ち位置にいるんだろうか!?
私はここに大きな疑問を抱いて離れないのです。
考えてみたら、時代劇の全盛の何が現在と違うか・・・です。 昔の映画を観ると一目瞭然と分かります。 つまり、その作品その作品の脇役、端役に至るまで全出演者が日本舞踊をやっていたんじゃないかと断言できるところでしょう。
私が日本舞踊教室を主宰しているから習って欲しい等の営利でものを言っているのではありません。 教室を運営すればするほどその重要性は確信に変わるのです。

最近の若者はなんでもすぐ(簡単)に手に入れたいと思う傾向が非常に強いと感じます。  分かりやすく言えば、芸事などこれで良いなどは決してなく、やってやって更に腕を磨いてそれでも極められない奥の深いものでしょう。
でも、悲観することはひとつもありません。何が違うか!? つまり極めるために修行(稽古)をし続けたかどうかだけです。
修行は嫌だ、授業料は出したくないでは到底無理でしょうね。 分かりやすく言えば、現在の大相撲の仕組みがまさにそれです。
十両になるまでお給金は一銭も無い。 これを弟子というのです。このハングリー精神、情熱が心から表現できる力を与えてくれるのですね。

時代劇全盛時代は何がそうしたんでしょう! そこは知るべきです。私はその重要性や課題がハッキリ見えています。
作品は良い意味で娯楽でなければならない! そして美しく、本物でなければならない。 現在の時代劇は全て今流になってしまっています。

言葉(セリフ)を大事に、空間を守り、日本人特有の美しさを備えてこそ本物の時代劇と言えるのです。
残念ながら現在の若者はその素晴らしい時代(さくひん)を知りません。芸事に携わる先輩として、「知っていたら教えなさい」となりませんか!?
早く有名になりたい!? 早くお金が欲しい!? 全て了解。  でもそんな心根に本物は備わりません。
これからどんな若者に出会えるのかな~と楽しみではあります。 人として苦しみに負けない、嘘をつかない、自分を信じて行動できる若者を育てながら、それが例え1人でも2人でも夢を諦めずに突き進んでいきたいと改めて思いました。

宮越監督の経験は日本の財産です。 夢中で一献傾けながらの5時間はとても有意義でした。 岡部さん、応援するよ!嬉しいですね。
情熱は青春の中にしか芽生えません。 20代、30代のよりはるかに若い。
これを青春というんだよ・・・と若者に伝えたい。
美しい、あの昭和に見る良き時代劇。 あなたたちが復活させるんだぞ・・・と心で叫んだ瞬間でした。 同じ夢を持つ人に会えるってとてつもなく嬉しいことです。
 
このブログに目を通し、共感できた若者が居たら是非会いたい。 一緒に本物を創り上げようではないか!?
歌舞伎や能に負けない時代劇の復活。 これこそが日本の伝統文化の継承者なんではないだろうか!?


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上記に載せた文章は、「瀬戸内寂聴」さんの言葉です。これは決して恋愛にだけ特化したものではなく、人の心(ゆめ)に応援しようとする姿勢にも言えることではないだろうか!?
人は、心があって動けるのです。 これも幸せの在り方のひとつに思うのですが・・・。
自分を信じて最後まで諦めずに歩きたいと思う。
プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
チーフ・プロデューサー
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