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 自分磨きで金メダル

青春時代

これは千駄ヶ谷の国立競技場の写真ですが、「石原裕次郎ありがとうイベント」に参加した
ときの1枚です。

日本の大スター! 不出世の国民的英雄にふさわしい1日であったことが今でも懐かしくよ
みがえって来ます。
勿論今ではこの姿を見ることが出来ませんが、良い記念に収めたものだと我ながら感心し
ています。

現在、平昌で冬のオリンピックが行われていますが、若者の躍動感というものは理屈を超
えて素晴らしいものですね。
努力したから報われるとは限らない! しかし、努力無しでは決して報われることのないの
がスポーツと言って過言ではないでしょう。  即結果が現れる厳しい競技ですね。
期待されていた選手が次々に転倒し、また結果が出ない・・・!
あれだけ練習を重ねても尚です。

波島陽子日本舞踊教室へは最近特に「役者志望」の若者が多く集まって来ています。

勿論、生徒の殆どが「趣味」で楽しみながら通って来ている。 これはなんの問題もありま
せん。
しかし、役者(俳優)になりたいとする若者をみて私の方が常に危機感を抱いて接している
のが今日この頃です。

やるのは当然本人ですから、本人が行動しなければ何も始まらないのは当たり前。
これらの若者には3パターンあるのが最近はっきりわかりました。

① 役者になるために真摯に努力を続ける者。
   必要性が妥協を許さないことを知り、厳しい姿勢で臨む者と言ったら正解でしょうか。
   これに属する人は「時間を作る」ことを知っています。
   総じて言えば、とにかく実践(稽古)に余念がありません。 
   嬉しいことにこれらの者は自分の力量をしっかり把握しています。
   だから、基本を学ぶ姿勢が違うんですね。

② 自分が役者になれると勘違いしている者。
   この殆どが憧れです。 何かに憧れるということは素晴らしいことで、憧れが悪い訳
   ではありません。
   これは歌の世界でも同じことが言えますね。 というか芸事は全て関係すると言って
   良いでしょう。
   つまり、最初は勘違いでも憧れでも良いのですが「自分を知る」機会を得ることが大
   切です。
   この②という枠から大成する者はいくらでもいます。 自分を知り、徹底して感性を
   磨き上げ、芸のセンスを身に着けるための努力をすることが重要。

③ 3ツ目のパターンは信念なくして漠然とした夢ばかり追う者。
   この類はまず人の言うことを聞きません。 自分のやっていることが正しいと思い込
   んでいるから一番始末が悪いですね。

先に挙げた裕次郎のように、持って生まれた華のある人。 
主役を張れるってそういうことです。   しかし、ご存知ように主役だけで作品(舞台・
映画等)は決して成り立ちません。
おばあちゃんが居たり、青年会長が居たり、労務者が居たり上司が居たり等々当然のこ
とながらそれらの配役はこの世の中の通りです。
そこに、同じ母親役でもいろんなイメージの母親像がないとドラマは絶対に成り立ちませ
ん。

よく、映画でも舞台でも成功の秘訣はと問われたとき、「キャスティング」と「脚本」ですと
言われますがまったくその通りなんですね。
昨今の朝ドラ等でも、目を覆いたくなるようなとんでもないキャスティングが施されている
場合がよくあります。
なんでこのタレントが選ばれたの!?不可解さはそのまま不人気が証明してくれています。
アイドルや人気タレントを使うのはプロダクションの力だったり、制作側があまりにも視聴率
優先のキャスティングなんだなは手に取るように分かります。

オリンピックは実力の世界だから、問答無用まったくそうしたことは通じませんね。

つまり、勘違いの練習(修行)くらいで陽の目を見るなどあり得ないことです。

たまに、端役でもテレビに出たというだけで勘違いし得意満面となる若者を目にすることが
あります。 これが一番怖いことです。

芝居をさせると「センス」や「感性」はすぐ分かります。

最近はこれだけ海外からの観光客が増えていますから、日本の伝統や文化に触れた企
画でインバウンド関係の仕事に従事している団体や企業がとても増えたように思います。

着物を着て扇子を持てば日本舞踊ではありません。
刀を持って振り回せば侍や忍者ではありません。 だから、そこに集まる演じ手が勘違い
するのです。
間違ったものを見せて、それが日本の文化であり伝統だと言ったらいつかこれらは必ず
廃れます。

特に日本の伝統芸はおくゆかしさや深みがあるものなんです。
これらは決して短時間でなど身に着くほど甘いものではありません。

私が何故役者志望者に日本舞踊を勧めるのかがそこにあるのです。
つまり、日本の伝統芸は「着物」を外して語れないということです。若者が全てダメだと
言っているのではなく、我々先輩がそうした事柄に信念をもって指導しなければならな
い使命があると言う事。

何でも簡単に手に入る世の中ですが、これらの伝統に纏わるものはあのスポーツ選手
のように、様々なことを犠牲にしてでも頂点を極めたいとする情熱と実行力(練習)が無
ければ本物とは言えないと同じです。
昨日の女子1500mのスピードスケートの高木美帆のあの走行フォームを見て分かりま
すね。
自分を信じ、コーチを信じ、大きな目標に向かっての過酷な努力の結晶がこれだけ日本
中を沸かせたことひとつとっても理屈でないことが分かります。

最近の若者は確かに「夢」を語ります。
でも、語った内容に決して責任を持たないのも昨今の風潮のように見えて悲しくなります
ね。

「言い訳をする人に限って行動しない」とよく言われたものです。 悲しいかな本当だと思
いますね。
応援してくださった人の為にもと涙する選手。

この世の中で、自分でできる範囲など本当に限られています。
甘い言葉で接すれば良い人で、厳しいアドバイスをする者は敬遠されがち!!! 
泣きたくなりますね。

この会場(国立競技場)には入りきれないほどの裕次郎フアンが集まりました。
そして、口々に「ありがとう」が響き渡ったのです。  私の青春時代も理屈抜きで良い
時代で良かったと思っています。
主宰者側は裕次郎を愛したフアンに「ありがとう」のこうしたイベントを競技場を借り切っ
て開催した訳です。  つまり、感謝がもたらしたビッグイベントでした。

立てた目標に、きっと誰かが応援してくれるんだと思います本気ならね!。
この本気に自身嘘をつかず、最後までやり抜いて欲しい。

その精神力と実践する姿に周りは感動を得るのです。

よく、時間が無いという言葉を耳にしますが、それは殆ど「嘘」です。
何故なら、自分がやりたいことには必ず時間を作っているからです。

この平昌オリンピックを観戦しながら、芸事の指導者として責任のもてる指導法を学
びたいと思い今回敢えて綴ってみました。
日本舞踊教室の個人的な発展が目標ではなく、素晴らしい日本の伝統文化の後継
者を育てるためにどんな苦難とも堂々と戦い抜いて素晴らしい若者を世に送り出した
いと心から願って止みません。
正直、私はこのことで波島陽子と語り合ったことはありません。
しかし、語らずとも家元の気持ちが分かることは実に幸せなことだと思います。 将来
に向け、やりたいことが一致しているってやりがいがありますね。

自分に嘘をつかない若者でないと決して大成しない。しかし、中学くらいならいざ知ら
ず、それ以上の若者には「夢があるんなら自分に負けるな」・・・と叱咤激励したいの
も事実。

ゴールを切ったとき、感動のあまりコーチと選手、或いは選手同士が涙で抱き合う姿。
スポーツ選手でないと分からないのだろうか!?

自分磨きをしている若者たちよ。 感動を得るほどの努力があれば芸も金メダルですよ。



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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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