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  老舗が消える

良き時代

まもなく平成も幕を閉じようとしています。
「平成」と書かれた額を手に小渕官房長官(当時)が新しい元号を紹介して30年。
この30年ほど時代が大きく動いたことも珍しいんじゃないだろうか!?

私の同級生や近所の先輩が「伊勢丹」に入社した・・・・と騒がれた昭和の時代。
就職先としては相当信用度と入社した者に対する評価の高さがあって世間では「凄いね~」
の筆頭でした当時は。

確かに伊勢丹や三越は販売店の王国いや神様的存在だったように思います。
同じ「カルピス」をお中元で使うにも、包装紙に三越や伊勢丹とあっただけで付加価値どころ
か商品の信用に至るまで完璧だったように思います。

前に私が名古屋から社員を連れて商店見学にと矛先を向けたのも伊勢丹や三越・京王百貨
店でした。
それが今どうでしょう・・・・! 1店舗1店舗姿を消そうとしているじゃないですか!?

趣向品は高いものと思われた時代はこの平成で崩壊してしまったようですね。
良い物は、上手いものは高い(価格)ものとされていた概念もいつの間にか打ち砕かれてしま
ったようです。
その高いものをいかに安く買うか・・・!! いや、いかに安く売るか・・・も加わって行きつくと
ころ経営が成り立たなくなってしまう。

京都の西陣織などもその後継者の問題で大変な思いをしている・・・とドキュメントで見たこと
があります。
しかし、職人を育てる間は「給与」を払えない・・・!!  
一人前になってやっと報酬を得られるという問題。 分からないようで分かります。
しかし、そうは言ってももうこの時代に高級織物の需要が無いということなんですね。

金沢での懐石料理。 昭和の終わりころでしたがそれでもその風格に酔い、美味しさに舌づつ
みを覚えています。
京都の俵屋旅館もそうでした。 風情や京都の美味は行ってみないと分かりません。
丁度私が泊まった日はあの高倉健さんが一緒だったと仲居さんが教えてくれました。

つまり、高級な料亭旅館に当時飛び込んだって訳です!!
三越も伊勢丹も、高島屋もその包装紙だけでステータスなんですね。

平成に入り特に後半はネットでの予約や戦略等々で「****の企画」が格安等々。
安くしないと顧客を逃がしてしまう。 凄い商戦になったものです。

でも、よ~く考えてみてください。
良い物がそんなに安く手に入るでしょうか!?
私がやっている「着物を着て浅草を歩こう」・・・の企画ひとつそうです。
絹の着物をプロが着付けてご案内までする。 安く上がる訳がありません。
つまり、私どもは「本物を提供」しようとしているからです。

確かにTシャツ1枚3万円や5万円なんて品物もあるんです。
私も1枚持っていますが、「え~!! 3万??????」と思いました。 
立派なスーツが買えます。  でも、やはり素材(もの)が違います。
完全に贅沢品(趣向品)ですね。

有っても良いと思うんです。 でも絶対数が無くなるから経営が成り立たなくなるんですね。

それだけなら「仕方ないのかな・・・・!?」と思ったりもしますが、私の懸念はそこではあり
ません。

何でも「簡単に」、何でも「安く」、言葉は簡略されて日本が見えなくなってしまう。
そうした言葉についていけないと笑われる・・・・????
テレビ局の番組制作も大きな影響を与えていることが後々必ず大きな問題を引き起こす
と確信に似た気持ちでいます。

今年の中秋の名月は実にみごとでした。 美しかったですね。
すすきを前に観る月とは違いましたが何とも心洗われるその感動は何にも代え難いもの
じゃないだろうか!?
スマホにだけ集中していたら、町の美しさ自然の美しさはきっと多くを逃していることでしょう。

日本には美しいことばがあっても、語彙力どころか短縮ボタンにかき回され人の心までも
失っているようで悲しくなります。
コンビニがあり24時間のスーパーがあったら結婚は面倒だ!! だって一人が気楽!!
「お世話になったあの人に・・・」、もうそうした思いやりの心は消滅してしまうのかも知れない
ですね。
風情を味わうとか、人の心に触れなくなった時代に「スマホ」がどうこれ以上関与してくるのか。

「日本橋高島屋S.Sオープン」とありましたね。 9月25日のオープンだったそうです。
従来の品格や素晴らしい格式をどの程度残しつつ営業して行くんでしょうね。

今の時代に何を言っているんだ・・・・!!  そう言われるかも知れません。
しかし、外国に素晴らしい家族がいますよ・・・・とつい先日「世界のあり得ない映像」が放送さ
れました。
ご両親の娘さんへの愛情に涙する幼い娘さんが「感動の涙」を流すシーン!
「誕生日のお祝いに・・・」「クリスマスに・・・」とご両親が仕掛けるドッキリに感動して涙する
あのシーンはおそらく日本中の視聴者がほのぼのとした温かさと素直に育った子供の姿
にきっと感動し、もらし泣きしたんじゃないでしょうか!?

心の原点が「両親であること」が本当によく分ります。
バラエティ番組ももっとこうした番組を制作(ほうそう)したら良いのです。
相手を思いやる心がもっと多くにあれば決してこれからだって見捨てたものじゃないんじゃ
ないかと思います。

時代だから仕方ない・・・ではなく、本物の心を置き去りにして良いことがある訳がありません。

全てを時代の流れと流してしまうのではなく、相手を思いやる温かな気持ちで周りを観たら
きっと新しい時代は素晴らしい元号(じだい)を迎えるんじゃないだろうか!?

日本には、素晴らしいものが本当にたくさんあります。
そのトップに君臨しているのが「日本の心」だということを忘れてほしくないですね。

老舗、全国どこにでもある老舗。
高い安いではなくもう一度老舗の良さを考えてみませんか!?

たまには懐石料理を食べに行ってみてください。
ときには古都を散策してみてください。

きっと素晴らしい日本に会えるはずだから。







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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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