覚悟を持ち続けた年月
平成30年、今年の舞台の締めくくりは創立当初からお付き合いさせて頂いている日本文化体験交流塾様の創立10周年記念式典の舞台でした。 年の瀬に暫らくぶりにスタート当初を思い出しました。
私どもの方が1年半ほど早かったのですが本当にいろいろありましたね。 私どもは当初「日本舞踊教室」を開校するなど夢にも思っていませんでした。
最初は日本中の日本舞踊(新舞踊)愛好者のみなさんに「振付作品(ビデオ)」を制作しお届けすることでした。
知らないって強いな・・・・と感じたのは、最初業者に委託してビデを制作したのですがなんと1作品100万円もかかりました!!!!!
しかも、それが売れない(涙)
全国の公民館や劇場等々様々な施設に作ったチラシ3種類入れて郵送。
この切手代金はただ郵便局を設けさせただけでしたね(笑)
もっとショックだったのは注文(反応)が一件も無かったことです。 これは辛かったですね。
私はそれからホームページを立ち上げるため毎日パソコン教室へ通いました。
昔、ずっと昔、私は制作会社を興し毎日が営業営業の連続だったことがありました。 地域振興事業や商店街、小売店の売り出し等々様々なイベント(企画)を仕掛けました。
ところが、そうそう営業で注文が頂ける訳ではありません。 来る日も来る日も手ぶらで帰る毎日。
そこで実践したのが、注文が取れなきゃ食うな・・・・・ということです。
多くの県・市町村を訪れました。 空振りで帰る道中の晩飯は決まってソーセージとオロナミン。
結構この取り合わせは美味いんですよ。 ハンドル片手に左りはオロナミン、右手にソーセージ。
「ちゃんと食べたきゃ売ってこい。」 そう自分に言い聞かせてね。 会社のスタッフは事務と制作が1名ずつで私と合わせて3人ですが、その2人の生活をみなければいけない・・・・。 そこで覚えたのが「販売(営業)は断られたときがスタート」ということでした。
勿論、結果的に新築の家を建て、大卒25名を雇うまでになりました。
仕事も嘘のように大手から注文が届き、性格が一生懸命ですからどんどん成績が上がって行きました。
だから、今回の会社の10周年はとってもよく理解できます。
2度目の会社創設(ポラリス)の初めがその振付ビデオだったんです。 数えるほどしか売れない作品をよそになぜか日本舞踊を習いたい・・・・という若者が訪ねてくるようになり、軌道修正し「日本舞踊(新舞踊)」も教えようとスタートしたと言う」訳です。
2年目に入る頃でした。 大手の旅行会社や今回の会社から体験の企画が舞い込んで来たのは!!
お稽古も4ケ所くらいをまるでゲルマン民族のように移動移動しながらのお稽古の毎日!!
今考えたら本当に良く頑張りましたね。それから2~3年くらいした頃でしょうか!? もう借りながらのお稽古は限界に達するほど生徒さんが増えたのです。
運良く雷門のまったくの中心地に現在のお稽古場候補地が見つかり大改造して現在のお稽古場の誕生でした。
これがそのお稽古場です。(その頃の写真)
大変な費用がかかりましたが、波島の親戚が近くでたまたま工務店を営んでいたのでこのような立派な教室が誕生したのです。
世の中って本当に不思議ですね。 振付作品(ビデオ)を販売するのに頭をひねっていたのが懐かしくなるほど振付作品の要望は増え、今ではなんと全国(台湾・ブラジルを含め)に4000人ほどの波島作品愛好者となりました。
同時に、撮影・編集等々私の得意分野なので全て私が制作するという画期的な態勢も整いました。
一途に変わらない信念。 何事も「覚悟」をもって立ち向かうところに成長があったように思います。
素晴らしいのは教室の顔が舞踊界の顔になるくらいの勢いで多くの皆さんから愛されるようになりました。
海外への公演、地域振興にと舞台に招かれ、教育員会より学生への指導をと。 キャリアの大きさはテレビ(ドラマ)の指導やCMの指導等々、そして当初から手掛けていた外国人(体験)の受け入れが様々なスポンサーから昨年も今年も2000名を突破するという業績。
他社の追随を許さない受け入れ方は昨今多くなったレンタル業等々と違う観点からの対応。
日本の中でもここまで日本舞踊(新舞踊)を広く紹介できている教室は類をみないところまで来ました。
私たちはあくまで純粋に「日本舞踊」を通しての指導です。
多くの夢をもった若者も頑張っていますが、なんとご高齢のみなさんも16名ほど腰が痛い足が痛いと言いながらも笑顔で楽しんでくださっています。
最近はなんでも簡単に入手できたり等で日舞のように時間のかかる習い事は難しいと言われています。
それでも、日本舞踊を習ってみたい若者に聞くと「日本人だから・・・・」が殆どです。 それだけ我々に責任があるとも言えますね。
殆ど同時期に興した会社の10周年にあたり、なにか感慨深いものを感じるのは同じ日本の伝統・文化に関わる者の成果に喜びを感じたからなんだと思います。
双方が言えるのは、きっと「覚悟」はしっかりしていたんでしょうね。
この仕事を通じ本当に多くの人に出会うことが出来ました。
その誰もが、心にふれながらの皆さんですから私も波島もこれ以上ない幸せ者ですね。
今回は「鶴亀」をご披露しましたが、お弟子さんにもともう1曲この舞台で踊らせて頂きました。
師匠の背中を見て遠慮せずに追いかけて欲しいと思わずにはいられません。
来年、銀座の能楽堂で(2/24)舞台に上がりますが、そこでもお弟子さんを上げたいと師匠の想い。
表舞台だけでなく、苦労に苦労を重ね感謝の心を発奮材料に堂々と舞台に立って欲しいと願っています。
まもなく今年も残り僅かになりましたが、初心を大切に心豊かな年月であればと思います。
バタバタしていておそらく今回のブログが今年最後の掲載となりそうです。
今年も1年本当にありがとうございました。
来年も宜しくお願いいたします。 それではどうぞ良いお年を。