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 GINZASIXと波島陽子 4

未来への橋掛かり 2


能でいうと、奥から「お幕(おまぁく)」と小さな声がかかって、両幕が揚がり、シテが登場のシーンです。
真ん中を歩めるのはシテだけで、ワキやツレ・囃子は壁側の片幕しか揚がらず、そのまま端を通って舞台に向かうのです。
ですから、この写真はとても貴重ですよ。
平成から新しい時代に入ってゆくにふさわしい陽子さんです



このコメントをくださったのは、元NHKプロデゥーサーである加藤和郎先生からです。
昨年11月にこのイベントのお誘いがあり私のキャスティング・構成で波島の「鶴亀」を最初に、最後は波島社中が締めさせて頂くという舞台にさせて頂きました。

厳かで厳粛なお能独特な世界。 やはり重厚感が半端じゃないですねお能の舞台は。

舞台の始まりは波島の「鶴亀」でしたが身びいきなしで感動しました。 今回観に来れなかった皆さんはきっと損をしたと思うほどの素晴らしさであったことはこの上なく嬉しいことでした。

波島陽子が「鶴亀」でスタートしたのは大正解でした。そして他の流派の皆さんが踊り、最後は波島社中のみなさんが踊りましたが、お弟子さんたちには良い学びの場になったことでしょう。

初々しくも美しく、最後を波島社中で飾れたのも作品内容からおそらく合格点を頂けたメドレーだったと思います。

少し時間はかかりますが、波島陽子のホームページには是非その映像を載せたいと思っていますので楽しみにしていてください。
力を着けたチーム力は魅せるに値する見事さでした。

でも、考えてみたら幸せですよね生徒さんは。 インドやドイツ・タイや台湾他、国内でも様々な舞台を提供し日本の伝統文化を楽しんで頂きたいと計画する舞台に立てるんですからね!!
勿論、今後も増えるであろうこうした舞台で更に力をつけて行って欲しいと願っています。

ここで、もうひとつお伝えしておかなければいけないことがあります。
鶴亀で波島が登場した瞬間、それは会場をいっきに呑み込む美しさがあったことについてです。
確かに演じ手だけが前面で評価を受けることが多いのは確かです。 しかし、あの衣装を着つけてくださった着付師の存在は無視できません。

一流の役者さんで知らない人はいない着付師田島貴代子さんその人です。 

分かりやすく言えば、現在もずっと新橋や赤坂の芸者さんは「田島さんにお願い」となります。  波島は芸事を始めた当初から可愛がって頂いてきました。  勿論、波島の人柄があるにしろこの出会いは波島にとって幸せな人生だったと思います。

波島社中のお弟子さんは当たり前のように着付けて頂いていますが、とんでもない素晴らしい(一流)人に着付けて頂いているんですね。  おそらく写真や映像で分っているでしょうが本当に幸せな生徒さんたちです。

3年ほど前に開催した「波島陽子芸能生活30周年」の舞台は浅草の大劇場でなんと7時間の舞台。
なかなか生徒さんが集まらない昨今では画期的な教室になりました。 これもやはり家元の人柄なんだな・・・ってつくづく思います。
「今回の能楽堂の舞台の美しさはまさに陽子先生のお人柄・・・」 そうおっしゃってくださいる多くのご意見を生徒さんに直接聞かせたい嬉しい生の声でした。

波島に見せて頂いたfacebookにお友達からこんな嬉しいコメントが入っていました。 お友達なんて言ったら叱られますね。波島が尊敬して止まないそれは立派な舞踊家の大先輩です。

その一文を是非ご紹介させていただきます。

 「波島流家元波島陽子師とその社中の舞台を拝見して参りました。 本舞台は個人撮影禁止ですのでリハーサル撮影の時のお家元の姿です。 まるで動く日本人形のよう。
図々しくも能舞台に上がらせて頂き記念写真を。 能舞台で舞われる姿は上品この上なく清々しく まさしく天女のよう。
波島陽子師は私が今一番尊敬し大変におこがましいのですが注目している若き舞踊家です。

日本舞踊の魅力を日々 世界に向けて発信なさり若手の育成にも心血を注いでおられます。
お弟子さん方の舞台も清らかさと真剣さとご指導の行き届いたとても気持ちの良いものでした
。」・・・と。

涙が出るほど愛情のこもった文面にしばらく陶酔していました。  嬉しいですね。

舞台がハネ、次々と送られてくるお祝いや嬉しいメッセージ。 どう表現したら良いか分かりませんが多くのみなさん(観客)がため息交じりに感動していたことがしっかり伝わって来たのです。
「圧巻でした・・・・」一人一人頑張ったお弟子さんたちに知らせてあげたいと思います。

近隣はもとより、九州から、島根から、兵庫や宮城福島と本当に遠方から駆けつけてくださり波島も感激しきりでした。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

私はこの機会を逃すまいとずっとそばで見ていたので正直とってもよく分ります。
こういう舞踊家が日本を背負わないといけないな・・・と。 ここまで来れば身びいきとかの次元ではありません。
「波島陽子の舞台を観たら分る」 その一語に尽きます。
宣伝文句でもアピールでも何でもありません。 一体文化庁の役人はどこに目をつけているんだい・・・・!!そう言いたいほど素晴らしい舞台でした。

波島陽子は毎年台東区の中学校の生徒たちに「デンマーク」に親善大使として渡航する全員にもう11年も連続で日本舞踊を指導して来ました。 
当時5歳だったお弟子さんが現在丁度その年齢になりました。 まだ中学1年生ですがその実力(日舞)は本物です。
「大江戸祭りばやしの一番若い高校の生徒でしょうか、とっても良かった」・・・とメールが届きましたが中学一年生ですよと話すとびっくり。
他にも全くの新人さんを2名舞台に上げました。 何の違和感もないことこそ、波島陽子から習っているからと声を大にして言えますね。



取材です


能楽堂という画期的な舞台出演ということで新聞社の取材を受け、そのインタビュウの一言一言に「なんて重みのある人生なんだろう・・・・」と感心しきりでした。

指導者の想いが熱ければ熱いだけ多くの若者が育つ。  そう思います。
今年もすでに5名の新人さんが雷門通いをしていますが、正しく育って欲しいですね。

能楽が700年の伝統だそうですが、波島も決して負けない日本舞踊の伝統の継承にこれからも頑張って頂きたいと思います。

新聞記者にそんなこんなを語っているうちに記者も熱が入り気合いがこもったようにも感じました。

新しい元号(じだい)に向かい、今回の舞台は日本舞踊も捨てたもんじゃないなって確信を持てました。

いつかどこかで、是非波島陽子の舞台を観てほしいですね。   素晴らしかったですよ。






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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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