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 美しいしぐさ 日本舞踊

あいさつ


「このシーンに全てが集約されていますね・・・・」 と能楽堂のリハーサル後本番前に波島が写真撮影の為に舞台に登場したときのことです。  会場には数人の関係者しかいないほんの短い時間での瞬間でした。

私は一番前でカメラマンに位置取りをと思っていた時でしたが、この瞬間を本当によく押さえてくれました.
たまたま会場にいらした波島が尊敬して止まない日本舞踊のある家元さんを見つけご挨拶するそのとき、会場にいた何人かの関係者から漏れたため息と同時にシャッターは押されていました。

あるプロデューサーは「私を見つけて、丁寧なお辞儀をしてくれた姿は美しく、後ろの座席の方たちが驚く気配が感じられたほどです」と後にメールをくれたほどです。
この「驚く気配」というのが私が初めてと言っても良いくらいの「ため息」だったのです。

私も、十数年波島の舞台は全て見ているはずなのに言葉には言い表せない、挨拶をしているだけなのに「なんて美しい~」。
考えてみれば様々な舞台のリハーサル時は関係者以外客席には入れませんからね。
初めて能楽堂での日本舞踊公演ということで私どももカメラマンを配置していて大正解でした。

この光景をお弟子さんたちに生で見せてあげたかった。  出演者はみな楽屋にいるときの出来事でなんと残念なこと。

多くの生徒さんから波島陽子という指導者の感想をときどき耳にすることがあります。
「こんな優しい先生が本当に居るんですね!」、「教室の居心地の良さは先生の温かさなんですね・・・」「先生のようなしぐさや振る舞いを身に着けたい・・・」、そう言って現在多くの生徒さんがお稽古を楽しんでいます。

こんな統計があるって知らなかったのですが、昨年秋ある人にこんなお話を聞かせて頂きました。
「波島陽子先生の教室って凄いんですね・・・!? 日本舞踊教室ランキングでダントツのトップなんですもん。」
そう言ってスマホでそのランキングを見せてくれました。 なんと、なんとなんと間違いなく1位でした。

お稽古場(教室)を開設して11年になりますが、多くの老舗流派を抜いて堂々1位に表示されているランキング表を見て私は一緒にやって来た人間としてさもあらん・・・そう思いました。

習う側(生徒)に立ってここまで愛情を注ぎながら指導し続ける人を今までに見たことがない。
誰にでも平等に優しく、それでいて謙虚。 秋田の女性だからだろうか・・・・(笑) そう思うほどです。それでいて根気の良さには脱帽です。
ご存知のように、なんでもそうですがやりたいことと出来ることは別ですね。 何にでも得手不得手があって当然です。
しかし、波島はどんなに不得手で不器用であってもその人が喜べるまでに仕上げてしまいます。

波島陽子が前回浅草公会堂で「芸能生活30周年記念特別公演」を開催したときのことでした。
朝11時開演、夕方7時終演と言う長時間の舞台。 それだけ出演されたお弟子さんが多かったということですが、初めて舞台に上がる生徒さんでも感動すら与えるほどの舞姿。 指導の集大成以外なにものでもありません。

今回、この挨拶という瞬間でしたが、「ため息」に遭遇された皆さんは幸せでしたね。
つまり、「いいものを観た・・・」の一言だったでしょう。

指導力があれば怒鳴ったり怒ったり威張ったりは全く必要ありません。
今年もまた台東区の区立中学の生徒がデンマークに親善大使として夏休みに出かけますが、指導を担当して今年で確か12年連続となります。
最初に教えた生徒さんは早ければもうお嫁に行くような年齢です。
着実に確実に一人一人の若者を育てているんだな・・・・って思うと何故か感無量です。

特に心で舞う技術は教えて教えられるものではありません。
浅草の教室に通う生徒さんだけでなく、全国は北海道から沖縄まで、いえ遠くは台湾やブラジル・カナダ等々に居る波島フアンのみなさんに愛され続ける波島陽子。 本当に幸せな指導者です。

評判やご意見をことある毎にいただきます。 「陽子先生を張り合いにこれからも頑張ります」・・・、そう言ってお便りが届きます。
スタッフである私はきっとこの素晴らしい指導者を一番理解しているはずです。 その私が、初めてドキッとする瞬間をまだ味わえるというなんとも贅沢な舞台でした。




輪ー新


「観ないと損」・・・・という言葉があります。
能楽堂という700年もの伝統ある舞台で初めての日本舞踊。 この伝統に勝るとも劣らない堂々たる日本舞踊を堂々と披露。
そして、お弟子さんたちは「心をひとつ」にそれぞれが舞台に上がって行きました。

先生が芸能生活33年目にして初めての能楽堂の舞台なのにお弟子さんたちも一緒にこの晴れ舞台に立つという嬉しい出来事。 それぞれに一生の思い出になったことでしょうね。

私はみんなが輪になった瞬間を知りません。
本番前に、こうした心がけで舞台に上がった一人一人を褒めてあげたいですね。

ご存知のように、近年のスマホ等に見られる世の中の乱れよう・・・!!
便利さがみんな大切な心を蝕んでいる・・・・と誰よりも懸念している私ですが、この光景にホッと救われました。

今回の登場に、「未来への橋掛かり」・・・・とタイトルをつけてくださった加藤先生。
そのタイトルに恥じないこれからの教室運営に更に心を砕かないとと思いました。

本物を追求したい私にとって、素晴らしい日本の伝統(こころ)をこれからも更に育んでいかないと・・・そんな刺激を様々な感動から勇気として抱くことが出来ました。

芸事には決して妥協しない自らへの厳しさ、波島を知れば知るほど日本舞踊界にとってとてつもない存在なんだなと思い知らされます。



















プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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