2ntブログ

日本舞踊の魅力

日舞ー1

日本舞踊ほど奥の深いものはないように思いますね。

私も子供の頃から「芸ごと」に関する環境に囲まれて育ったせいか、他のみなさんと年期の差は相当なものがあるようです。
前にも語ったと思いますが、小学校の頃から東映封切館が親戚という環境下で同じ作品を2回も3回も観ていました。
その殆どが時代劇です。
当時はその美しさは当たり前でしたから今になって思えば大変な勉強をしていたことになりますね。

その映画館は芝居も興行していましたので時代劇で使った「纏」なんかもよく振り回しました。
柳の枝で刀を作りチャンバラごっこは日常茶飯事。

社会に出て、役者になりたい訳ではありませんでしたが「劇団」に約2年ほど趣味で通っていました。
発表会でイイノホールに出演していたあの頃はまさに青春真っ盛りの頃でした。

いろんな職に就きましたが、結局どの会社でも芸事が好きだということは私の人生にずっと着いてまわっていました。

波島陽子との縁で日本舞踊に関わったのが平成19年。 それが本格的に日本舞踊に関わる新たなスタートでした。

ここでお話したいのが、何故「波島陽子」・・・・かです。  ご存知のように波島陽子は20年ほど女剣劇の第一人者「淺香光代」先生のところで舞台役者として全国の舞台に出演していました。
淺香師匠の厳しさと芸の力。恵まれていましたね。 当時は森陽子として舞台に立っていましたが、独立と同時に波島に改名したものです。
気が付かないかも知れませんが、「波島」を名乗る苗字の人は一般・芸能人探しても昔東映に居た男優の「波島進」さん以外おりません。 従って現在全国で波島を名乗るのは「波島陽子」以外見当たらないはずです。

この名前で再出発した波島は今日まで12年間本当に順調に来ています。
おそらくこれは波島陽子のこれまでの生き方にあったように思いますね。

スポーツの世界でも、科学の世界、勿論芸事の世界、なんでも「好き」ということが一番大切だということがいろんな事例で実証されています。
波島は小学校の頃から歴史が好きで、テレビでもNHKの大河ドラマは大のフアンだったようです。


さて、今回綴りたかったのはその「日本舞踊の魅力」についてです。
平成最後を飾る舞台「観世能楽堂」がその公演でしたが、多くの観客の皆さんを魅了したのは勿論のこと、その波島社中(お弟子さん)の舞台も圧巻でした。

日頃の指導者(家元)の心根がきっとそうさせたであろう見事な舞台であったと大絶賛でした。
「品があって厳かで、それでいて魅せる舞台」、多くの皆さんに他とは別格とまで唸らせた舞台こそ波島の真骨頂がそのまま出た結果だと思っています。

もう有名な話ですが、淺香先生のところに居ながらにして「花柳流」や「西川流」の先生に指導を仰ぎ自分磨きを続けて来ました。



日舞ー4

独立した理由は、全国の日本舞踊愛好者の皆さんに「振付作品(DVD)」で楽しんで頂きたい・・・が目的だったんです。
おかしな話で当初作品は殆ど売れませんでした(笑)。
私がその制作・販売を担当していたのでその当時の大変さは身をもって体験して来ました。
決して日本舞踊教室を開校するなど夢にも考えていませんでしたが、不思議なことに1人・2人と会社に電話が入るようになったのです。
当時はお稽古をする場所をキープするのが本当に大変でした。 4~5ケ所あるお稽古場をまるでゲルマン民族のようだねなんて言いながら大きなケースを引きずりよく通いました。
評判は少しずつ広まり、2年半ほどして雷門に専用のお稽古場が誕生したのです。  その頃生徒さんは30名ちかくに膨れ上がっていましたが全てに無我夢中でしたね。

会社設立が振付作品(DVD)の制作が目的でしたから驚きました。
設立と同時に飛び込んで来た話が「外国人観光客の体験」。 日舞体験・着物体験がそれでした。 当時から大手旅行会社とのお付き合いが始まったということです。

さて、ここで今回このブログを綴っている理由です。
確かに諸外国から日本を観るとき、その伝統や文化の代表格に日本舞踊がクローズアップされるということです。

しかし、波島の意図するところはそこではありません。
一人でも多くの日本の若者に、お着物を通してその素晴らしさを継承するのは「日本舞踊」だと確信したところにあります。

しかし、日本舞踊をやっているのは波島だけではありません。
そこで私は波島の特徴(素晴らしさ)は何だろう・・・・と考えました。  速攻で答えは出ます。
つまりそれは「波島陽子の人間性」です。
分かりやすく言えば生徒さんより腰が低いですね。 人として優しく謙虚であることが作品にまでその影響を及ぼしています。つまり、何が美しいかの根源は「人間性」だということです。
作風も全国から戴く感想でそれが実証されています。 今でこそオリジナル作品の制作が多く求められそれこそてんてこ舞い状態ですが、いつの間にか作品のご注文は後を絶ちません。

「もう陽子先生の作品しか踊らない・・・・」殆どの声ですが、それを波島は嫌います。「私より上手い人は沢山います。私などまだなだ・・・・」と。

日本舞踊に関わっている人ならその良さを即見抜きます。



日舞ー2

80余名にまで膨れ上がった浅草のお稽古場は今や凄い熱気です。

これら一人一人に植え付ける息吹きこそ他の真似の出来ない「愛情」でしょう。
それが舞姿に表われるから不思議です。

表現できるようになると「海外公演」や「国内の各イベント」に参加できるのもこの教室の特徴です。

上の写真は波島のお弟子さんですが、他にも大きな舞台に立てるようになったお弟子さんは相当数増えました。

こうした舞台を観る度に、「日本舞踊の魅力」ってなんだろう・・・といつも考えます。

昨今、こうした人気や需要によって「体験」や「教室紹介」をしようと名乗り出る業者が非常に増えました。
つまり、マージンで商売する形式です。
中には、当社のホームページ管理であればもっと集客できますと豪語する人まで現れます。???

違うんですね。  私たちの意図が分からずして集客等々などとんでもない話しです。

真摯な気持ちで純粋に日本の文化に触れて頂きたいとする思いは時に優しくときに厳しくです。
信念なくして人(企業)のふんどしで相撲を取るなど言語道断でしょう。

作品に心注入、これは人としての心がけやそれを貫こうとする真の想いなくして成り立たないんです。それはつまり、日本人の心をいかに優しく謙虚さや感謝の気持ち等々日本人の独特な感性を添えて舞台に立って表現することこそ「日本舞踊」だと言い切れます。
だから日本舞踊を観れば日本が分かるのです。 日本が集約されていると言って過言ではないでしょう。

「想いを表現する」、難しいかもしれません。 でも日本人だからこそできるのです。

平均してですが、若い人よりご年配の皆さんの舞台が素晴らしいのは日本の心が分かっているからです。
波島はそうしたことを決して口に出しません。 観て学び盗み取って欲しいはずです。

若者は全てではありませんが、やはり常識に欠ける部分がときたま顔を覗かせることがあります。 周りがそうだから、別にその人が悪い訳ではありません。
スマホで歩けば周りに迷惑を与えることは知っていてもそれが当たり前になっています。
さあ!どうしましょう・・・・ですね。

私は「礼節」を重んじそれだけは波島教室の生徒である以上、お稽古以前の決まり事としてその礼節の重要性を伝え続けています。


「叱れば怒り、褒めればつけあがる・・・」という言葉があります。
教育や指導で最も難しい課題です。 「嫌われるから言わない!」、そういう人が本当に増えました。
「波島陽子日本舞踊教室」に来て、踊りより礼節が学べたと思えた人が居たら大正解です。

心の挨拶が出来なくて日本舞踊を踊る事は不可能です。




日舞ー3

よく「新舞踊」と言いますが、新舞踊と言われる作品は立派な日本舞踊です。
特に演歌や歌謡曲を踊っている愛好者の皆さんは全国に5万といるはずです。
新舞踊と別のくくり方をしているようですが、波島が創るそうした作品は古典や歌舞伎、日本舞踊の基礎を大切に創り上げられています。
皆さんがこぞって「美しい」とおっしゃっていただけるのはそこなんですね。

作品には写真のようにコミカルな作品も少なくありません。
このような作品こそ心の表現が出来なかったら全く踊りにはなりません。

心を表現してこそ素晴らし作品(日本舞踊)になることは知っておいてください。

「伝わる」ということ、「伝える」という難しさ。

令和になって更に人の心は変わってしまう・・・と嘆くのではなく、外国人が何故日本は素晴らしい国だとこぞって訪れるかは、まさに日本人の心が素晴らしいからです。 日本の心に触れたくてやってくるんですよ。

この素晴らしい心根を表現できるのが日本舞踊です。

優雅で奥の深い、それでいて優しさがほとばしるような日本人ならではの良さは伝統です。
その気持ちを理解せず舞台に上がっても、明治の頃のあの素晴らしい芸者さんは演じられません。

今尚、舞台や映画に出演したいと若者が波島の門を叩きます。
みなさん、美しい表現師になりたいと思っているからなんですね。

正直、日本舞踊(新舞踊)もだいぶ粗雑になったきらいがあります。
それは、指導者に確固たる自信と信念が不足しているからに他なりません。

日本舞踊の指導者は実に根気の要る毎日と闘っているのですね。 いい加減な気持ちのお弟子さんには時折喝を入れることがありますが、心が通じないときは悲劇です。「親の心子知らず」に直面するということです。 それでも、大成したときの喜びは本人にしか分からないんですけどね。

ここに、感謝という心根があれば全ては解決です。

波島陽子は、言葉ではなく行動(たいど)でそれを根気よく伝え続けています。

波島社中の舞台はきっとそうしたことに拍手が届くんだと思います。
そのとき初めて師の教えに気づくんじゃないでしょうか!?

日本舞踊の魅力はまさに日本人の心です。










プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
チーフ・プロデューサー
演出家

最新記事
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード