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  日本舞踊上達の秘訣

真剣勝負

日本舞踊が少しでも早く上達する秘訣をお話ししましょう。

「習い始めて1年くらいで上手に踊れるようになりたい」 ・・・、無理です(笑)。
ただ、スポーツ選手のように長い年月かけなければ踊れないかというとそうではありません。

歌舞伎や大衆演劇を観に行ってその舞台に憧れて「お稽古してみたい・・・」という人は少なくありません。
キッカケ(動機)は人それぞれですからね。  一番大切なことは「好きだ」ということと「楽しむ」という思いがあれば合格です。
なんでもそうですね。 ものごとは「好き」から始まる訳だから、好きだと思ったら自信を持って習い事をしてみてください。

着物という日本独特の文化はそのしぐさあって更に美しさを表現できていました。
ここが大切なところです、「表現出来ていました」・・・・というところ。
つまり江戸時代に入っての庶民はお武家からのおさがり等で少しずつ今で言うところのオシャレに目覚めたのではないでしょうか!?
ご存知のように、ジーパンやスラックスではない訳ですからその振る舞いは自ずとその姿に優雅さのようなものが生活環境の中に巣立っていったのだと思います。
踊りで泣くシーンや2~3歩追いかけるようなシーンがありますが、着物ならではの動きはすでにそこで確立されていたように思います。
私が子供時分、おふくろは常に着物で真っ白な割烹着姿でした。従って洋服のイメージは殆どありません。

山田洋二監督のこだわりはきっとそうした美しい日本人の描写に他ならなかったはずです。 「男はつらいよ」のあの「とらや」のおばちゃんがまさにそうですね。
あの作品でも日本の独特な人情を表現したものですが、日本舞踊はまさに着物で表現する「日本」そのものなんですね。

時代劇の東映が黄金時代を築いていた昭和30年前後はまさに日本を描写していました。ヒントというか結論はそこなんですね。
当時の日本は人と人の関わりが素晴らしかった時代。
大川橋蔵や中村錦之助、大川恵子や花園ひろみ他あの女優陣の演技は素晴らしいものでした。時代劇映画全盛時代でしたね。 それが、テレビの普及とともに映画はどんどん衰退の途をたどる。

そうしたことが、日本舞踊の上達とどんな関係があるんだと思うでしょうね!! 大いにあるんですよ。

残念ながら、私の文面は最後まで目を通さないと分からないように綴っています。 従って、長いと感じた時点でもう読まない。これは私のブログに限らず、メールでも同じことです。
そんな簡略化された短い文面で「日本舞踊の極意」など語れるものではありません。

習い始めて「この若者は1ケ月と持たないな」って100%当たります。
上手く踊れない自分に「こんな筈じゃ・・・」、或いは「自分には日舞は合わない・・・」と決めつけている心の内がお稽古時に表われているからです。
なんでもそうです。「ダメだ」とか「出来ない」と思った時点で出来ません。 これは日本舞踊に限らずなんにでも言えることです。

でも、日本人なら何か素晴らしい日本人の「血」を受け継いでいるはずです。
だから、少しお稽古すれば着物が似合うようになるのは日本人だから必ず表現できるようになるはずです。 

今回の写真は一例ですが、波島陽子日本舞踊教室には多くの若者がお稽古をしたいとやって来ます。
それでも、見れるようになるには最低2年はかかりますね。 それは、日本舞踊の基礎・基本がたくさんあるからです。
基本ができても魅せる舞台になるかと言えばそうはいきません。そこが難しいところですね。
踊るだけなら1年少しで踊れるようにはなるんですよ。 私の言うのは観客に魅せる舞台のことです。

では、何が一番大切かということになります。 そうですね!一言で言えば「感性」でしょうか!?
豊かな感性の持ち主は日本舞踊にとても適しています。 それは、「心で舞う」ことが必要だからです。
難しそうに話していますが、そうではありません。 季節の花を観て感動する。これひとつとっても表現にはとても役立ちます。
感性が豊かであれば、その思いを表現できる。 嬉しかったり楽しかったり、哀しかったり辛かったり。
日本舞踊の表現こそそうした思いの表現は限りなく奥の深いものです。

目は心の窓と言いますが、日本人独特の優しさのこもった表現が美しさとなるんですね。

知っての通り、思ってることって態度に出ることありませんか!?
それを極端に表そうとするのではなく、そっと心に添えて身体を動かす。 この「添える」ということが理解できるのにやはり1年半はかかって当然でしょう。
そう言われたからと小手先でやったら茶番になります。 だから基本が大事だとなるのです。

ここまで話すと段々理解出来て来たかなって思いますが、その為には作品の「歌詞」を暗記し、作者が何を言いたいかを理解する。
私ども波島教室での指導法がそこにあります。
舞台女優で全国各地の大舞台、それも時代劇という着物が衣装の経験は師匠波島陽子には大きな財産となったのがそこです。
そして尚、何年経っても「私は踊れる・・・」などと豪語しない謙虚で控えめな心の持ち方が更に素晴らしい表現へとつながっているということです。

「陽子先生に習えて嬉しい・・・」と多くの生徒さんから心の内を聞きますが、みなさんは本当に幸せだなってその都度何度も何度も思います。
日本舞踊(新舞踊)が上手に踊れるという秘訣が「心(習う姿勢)」にあることがお分かりいただけたでしょうか。

波島陽子のホームページのトップページに掲載されている波島先生の心根を最後に再度ご紹介しましょう。

「優しい心、想いやる心、敬う心、感謝できる心、そうした人としての優しさに羽織らせたいのがお着物だと言います。
波島の日本舞踊が美しいのはその心にあると言って過言ではありません。
日本舞踊は心で舞ってこその伝統芸だからです。
波島が作品を創るとき、生徒さんに教えるときのこだわりです」


メキメキ上達するお弟子さんを見て思います。
上辺や小手先で身に着けた踊りは感動を与えることはありません。
それが生徒さんであっても、心の表現が身に着いた舞台は圧巻です。 考えてみるとその人はやはり優しさに満ち思いやりのある人だってことです。 感性の豊かさは財産です。

性格が男っぽいからダメだなど決してありません。 性格は人それぞれ素晴らしいものです。 大切なのは心の内だということです。
楽しそうに浴衣を着てほおずき市に出かける姿など、その美しさはまさにそうした集大成ですね。

あなたも上手になれます。
楽しんで楽しんで、日本舞踊やお着物が大好きでいてください。

そして、令和の時代を大いに謳歌してください。 日本舞踊の素晴らしさが再認識できますよ。





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