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 風情や人情あってこそ日本

令和最初の羽子板市

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昨日波島陽子日本舞踊教室へ湯沢市の市長がひょっこり顔を覗かせました。
なんでも、台東区の盆踊りに湯沢市のあの素晴らしい「絵灯ろう」が寄付されたことから今度は湯沢市へ台東区から「羽子板」が贈呈されるとのことで上京されたようです。
写真のように今年の世相はそのまま反映されやはりラグビーが羽子板に登場でしたね。「ワンチーム」、なんとも素晴らしいフレーズです。「アメリカンファースト」などと中身が違いますね。
何でもかんでも「・・・・ファースト」と総理大臣までが口にする。私は重みを全然感じませんでした。でも「ワンチーム」はラグビーなのに素晴らしい。それはあの礼儀正しいラグビーというスポーツの精神そのものでした。

ところで、「えっ、なんで寅さん・・・・」と思われる方もいると思います。 寅さんが亡くなって確かもう22~3年になるんじゃないでしょうか!?どんな作品に仕上がったか知りませんが、山田洋二監督渾身の50作目の完成だからでしょう。

人情が死語になるほどの世の中にこの羽子板がしっかり日本を守ってくれていました。

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湯沢市の市長にはどんな羽子板が贈られたのかとっても興味がありますね。 やはり「小野小町」でしょうか!?
出店の前で「あれがいい!これがいい・・・・」と多くの人が眺めます。 「買ってくださいね・・・・」と中からお姉さんの声。
このやりとりだけ聞いていても結構楽しいものです。

湯沢市から「絵灯ろう」ですって!? 絵灯ろうって何ですか!?の人にもう一度素敵な絵灯ろうをお見せしましょう。

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これが絵灯ろうです。
風情があり情緒があるでしょう・・・・。 さしずめ山田監督の寅さんに出ても決して不足のない素晴らしい行事(まつり)です。
私もずっとずっと地域振興事業に関わる仕事をして来ましたから「日本のまつり」は本当に沢山観てきました。
来年は10月に湯沢(秋田県)で波島陽子の舞台もあるので是非その前の絵灯ろうまつりは観てみたいですね。
羽子板はやはり日本髪や歌舞伎に題材される作品が多いですが絵灯ろうの女性の美しさ(絵)は半端ではありません。

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屋台は境内いっぱいに広がっていますが、如何ですか!? 行ってみたいと思いませんか!? 眺めていても感動は味わえません。みなさんも知っての通り最近「忘年会スルー」などという言葉が非常に流行っているそうですね(涙)。正直嫌な世の中になりました。理屈なんてなんとでも付けられます。人間関係が希薄になっていく上にまるでそれに輪をかけるように「忘年会スルー」があたかもかっこいいような解釈で巷に流行しているとか!
年賀状などもっと悲しい統計が出ているようです。「スマホであけおめだよ・・・・」!!!???別に私は郵政局の回し者でもなんでもありません。もうこうなったら礼儀などあったものではありませんね。今年も私は800枚近く16日に投函して来ました。
確かに枚数が多くとても手書きでは準備できませんが、それでも年賀は欠かせなく毎年宛名の人の顔を思い出しながら作成しています。
中には忘れかけているご無沙汰続きの人を思い出すこともあります。11月の後半を過ぎると「年賀欠礼」のハガキが何枚か届きます。そのとき、改めてその人とのお付き合いを思い出します。

会社を興してつくづく自分が嫌になったことがありました。20歳代の終わりころです。人って怖いもので良いときは人が寄ってきますが、悪いと離れていきますね。
悪い時こそ付き合えるのが人間の妙味であることも苦しい時に学びました。本当の友人は苦しいときこそ離れず励まし続けてくれました。不思議なのはこうして羽子板を見ていても、そこから郷愁のようなもの、人の心の温もりみたいなものに会えるということです。人の優しさも存分に感じます。
ゆっくりと家族で見に来る。恋人と見て回る。美しい作品に出会うとほっとするゾーンを味わえるから不思議です。

この羽子板を、また絵灯ろうをどんな気持ちで創っているんでしょう。

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平成最後のお正月、つまり平成31年1月に各テレビに登場した一流企業のコマーシャルが3人のお姫様のお正月シーン。羽子板で羽根つきに興じるというあのシーンです。あのCMの指導を私が担当し私には大変なお年玉(笑)でしたね・・・と完成作品を観たものです。
今の若者は羽根つき自体知らないのでは・・・・。頼まれて指導できる私は昭和を代表する人間です(笑)

ひとつ言えるのは「心の大切さ」でしょう。
来年の舞台を一緒にやりましょう・・・・と実は私から持ち掛けました。 初めて興行する怖さは素人では出来るものではありません。
素晴らしい伝統をしっかり守り、故郷の為に財産を投げうってでも継承したいとする主宰者はまさに日本人の中の日本人でした。
こうした素晴らしい人に会えたのも出会いの妙味です。

羽子板にも、絵灯ろうにもしっかり心が描かれています。
主宰者は言いました。「私は岡部さんを信じています・・・・」と。
こんな人が令和の時代に居るんですね。 人の心の分からない人が人を楽しませることなど出来る訳がありません。

私が昔勤めていた会社の事務室にこんな額が掲げられていました。「仕事には智恵を出せ、知恵の出ない者は汗を出せ、知恵も汗も出せない者は静かに去れ」・・・と!!
本気になれということでしょう! 今なら大問題になりかねないですね。しかし、心あればその意味が分かるはずです。表面だけでは羽子板を観ても、絵灯ろうを見てもおそらく感動はないでしょう。

「自分だけは幸せになりたい」、無理です。 周りが幸せになってこそ自分にも幸せは巡ってくるのだから。

日本の風物詩って心が豊かになりますね。 自分が、自分がではなく、一緒に優しさや喜び、悲しさや苦しみを味わえてこそ日本の風物詩は生きてきますよ。

これが古き良きものでしょうか!違いますね。 風情や人情を失くしたら人間でいる意味がないもの。






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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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