2ntブログ

  やんちゃ違い 

強い人間の生産地
雪国AA

これは戦後の雪国で、おそらく丁度アメリカのトランプ大統領が生まれた頃の写真だと思う。
私の故郷は昭和38年の豪雪(最後の豪雪)まで毎年これ以上の冬を体験し続けて来ました。この写真はまだ雪が少ない方です。
私は寺の息子だったために冬は脅威だったことを覚えています。
ひと晩で1mから1.5mくらいは軽く積もります。 つまり道路という道路は全て埋まってしまい、道をつけないと歩けなくなるのです。この道つけはおそらく誰も想像できない光景です。私が子供の頃は自分より高く積もった雪道に「※かんじき」を履いて道路を作るのです。
寺ですからまたこの参道が長い・・・・!!「早くしないと牛乳配達や新聞屋さんが来れないぞ・・・!」と言われ外に飛び出します。小学校の頃は泣きたくなる思いでしたね・・・。
困るのは道つけを初めて1時間ほどした時です。最初踏みしめた雪道はもうありません。しんしんと降る時期は踏んだ後からどんどんまた雪が積もるからです。
小学校高学年くらいになるとこの写真のように屋根の雪下ろしに駆り出されます。雪国でない人は想像も出来ないでしょうが、当時はその殆どが三角屋根(写真のような)で2階建てでしたが、普通に1階の屋根より雪は高いところまで積もります。その上に屋根の雪を降ろすので道路は軽く2階を超えてしまいますね。

私はここで育ちました。
何があってもやらなければならないことに対する実行力は間違いなくこうした中で培われたんだと思います。

昨今のトランプ大統領を見ていると、そうした苦労を知らないやんちゃ坊主にしか見えません。民の心を知るか知らないかは大きな違いでしょう。
以前、田中角栄が総理になったとき、日本は大きく変わりましたね。
それは民(こくみん)の心を知っているからだと思います。今回菅新総理の誕生に同じ雪国育ちとしてとても興奮しました。勿論それは理屈抜きでやってくれると思うからです。

子供たちの指導方法もすっかり変わってしまい「便利」という魔物に心を奪われ、若者がどんどん成長してゆく昨今に大きな警鐘を鳴らしたい気持ちでいっぱいです。
私たちが小学校に通っていた頃と現在の大きな違いは「人間育成」の根本の違いです。先にトランプを「やんちゃ」と発言しましたが、苦労を知らない、人の心の苦しみを知らない者が上に立つほど怖いものはありません。

もう死語になったかも知れません「げんこつ」ひとつとってもそうです。
学校で先生にごつんとやられると家に帰って両親には言えなかったものです。なぜなら答えは決まって「お前が悪い」・・・と言われるからです。
今考えたら想像も出来ないことで現在ならトップニュースですね。
息子が小学校へ上がったときは、「言うこと聞かなかったらどうぞ遠慮なくげんこつを・・・」と言ったことを覚えています(笑)
そこに「愛情」があればそれは決して暴力とは思わないからです。
勿論、出来ることならげんこつなど無いにこしたことはありません。子供同士で華々しく喧嘩することも決して悪いことではありません。人の心の痛みが分かっての行動は成長が待っているからです。

これは商売にも言えることですね。
自分さえ良ければ・・・が多すぎます。だからギスギスした現場が多くなるのです。商売の鉄則は「人の為になる」ことが原点に無いととんでもないことになります。
中には、他人のふんどしで相撲を取ると言った手法がとても目立っています。とくに職人さんや芸術家はそこを狙われやすい。
例えば「芸術」のなんたるかを知らない人間がいかにも繁栄発展の手法を知っているかの行動です。
特に芸事や伝統的なものは素人が入れる範疇ではありません。つまり、営利目的で自分が良ければ良い訳だからたまったものではありません。

科学を無視していると大問題になっているトランプ大統領。家長も先生も社長も政治家も、まず人の心に寄り添ったらきっと素晴らしい解決方法や運営方法に気づくはずです。

まだまだ収まりの見えないコロナ禍にあって、新しい未来に必要な「人の心」を再度見直して欲しいですね。



※ 「かんじき」 
降り積もった雪の上を歩く為に竹で作った輪になったもの。これを履くと新雪でもある程度で埋もれずに歩けるもの。
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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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