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 青春の文学 2

名作と呼ばれる作品はいずれも、誰もが感動できる親しみやすい物語で私たちの胸を躍らせ、心を癒してくれました。読みふけっていくうちに好きな作者の傾向も分かってきますが、作者によってそれぞれの良さはまた別のものとして想像をかき立てたり夢を膨らませてもくれました。
島崎藤村が好きで中山道の藤村堂を訪ねました。そこではどこか懐かしい心の故郷のような妻籠宿や馬籠宿を知り、何度も何度も通いました。ある夏、小学校の1年生くらいの女の子の笑顔に出会ったのも妻籠の朝でした。「おはようございます」の挨拶はまるで天使に出会ったほどの感動を覚え、あれから6年になりますが今でも暑中見舞いや年賀状を届けています。ふと考えると伊豆の踊子を錯覚させるようでしたね。
勿論踊り子の舞台も訪ねたことがあります。そこで知ったのが修善寺温泉です。
同じ旅をするのでも、そうした舞台を訪ねながらほんのひとときでも主人公の気持ちを味わったりで結構楽しいものです。
森鴎外、夏目漱石、幸田露伴、与謝野晶子、志賀直哉、芥川龍之介、井伏鱒二、まだまだ影響を受けた作者は沢山います。面白くなってくると、樋口一葉や泉鏡花、尾崎紅葉の作品へと手を出しました。
後年になってのめりこんだのが山崎豊子の作品です。子供が生れ、即興で物語を語る楽しさに自分の方が酔ってしまったのもしばしば。人に会う楽しさはそうしたことが影響していたのかも知れません。知らず知らずの内に想い出が増えました。それは、人の心に触れることを覚えたからのように思います。
どんなに時代が変わろうと、心を磨ける時間(時期)というのは同じようにあるはずです。便利が感性を奪うようにも思います。
温かい会話が出来るのは、人の心の大切さを知ることが出来たからでしょうか?母親も川柳や歌舞伎等々が好きで、そんな関係書物が周りに沢山ありました。そうした物を夢中になって読んだ訳ではなく、面白そうな内容だけを選んで特に作品の名シーンなどは暗記して真似ました。
それが赤穂浪士の勧進帳であったり、森の石松であったり、国定忠治であったのです。少しずつでしたが、そうしてかじっている内に段々と興味が湧き、好きになっていったのでしょうね。
社会に出てから、それがどれだけ役に立ったか知れません。テレビが普及し、どんどんと流行にも変化が現れましたが、ピンクレディーも知り、モーニング娘も知って幅広く知識を雑学のように吸収しました。
しかし、不思議なのは、今日の騒がしすぎるお笑いの世界やテンポの合わない楽曲に肌が合わずにいます。バラエティー番組などの余りにも知識のないアイドル達に不安を感じながら。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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