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 長崎屋の崩壊 3

何を根拠に言っているのか分かりませんでしたが、セミナーで講義を受けているとき講師はこのように説いていました。「このままだと一番先に倒産するのは松坂屋だ」と。私の会社から50mほどのところに松坂屋本店(名古屋)があり、当時東京の三越に負けないほどの知名度と人気(名古屋で)のあった百貨店でしたのでまったく信用はできませんでした。
つまり、これからの流通業界はここに来ている(セミナーに参加)君たちの双肩にかかっているからしっかり学べと言いたかったのでしょう。それはその通りでしたね。その後優秀な人間はハワイセミナーへと出かけ、その中から各店の最高責任者が誕生し日本中に大型ショッピングセンターが次々とオープンしました。
当時こんなこともありました。それぞれの会社の求人活動で私も沖縄を訪れていました。水光園という小さな旅館(ビジネスホテル)には大阪からダイエーの求人担当者と一緒になりました。
大きな相手に燃えましたね!当時はまだまだそれほどダイエーの知名度もなく私は互角以上の戦いをしていたのを覚えています。
何年かして私が独立した頃はショッピングセンターの黄金時代と言ってもいいでしょう。地域振興のお手伝いと共に百貨店やショッピングセンター、農協等はこぞって販売促進費を使いました。
多くの長崎屋各店に仕事を頂いた関係で私はそこで働く若者たちの姿を本当によく知りました。今考えれば、社長等トップクラスに進言してあげるべき事柄でいっぱいでした。
企業は人なりと言いますがまさにその通りで、心から会社を愛する人間がそこにいたらまだ違った展開になっていただろう思います。前述のように、売上げを達成すれば良いということでいっぱいだった各担当者は本当に大切なことをすっかり忘れていたように思います。
ブロック長の心の持ち方人間性を見てもこれ以上の会社にはならないと思えたのですから当たっていました。私どもは企画を提供運営する側ですからその内容に効果がなければ二度と使ってもらえません。日本中がまるでイベント合戦のようでそれを束ねる専門誌まで出たのですから凄い時代でした。
結局サラリーマン集団のこうした会社は本社が考えている以上の無駄を生んでいたのです。タレントを呼んでのイベントなどまるで担当者の自己満足の一環に過ぎなかった。
私が友として付き合っていたタレント事務所には日本中を騒がす人気歌手が所属していました。事務所では二番手に若い可愛い女性歌手を売り出そうとその友を制作担当とし各地でキャンペーンを張っていたころでした。(つづく)

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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岡部俊雄

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