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 長崎屋の崩壊 5

私はここに「長崎屋の崩壊」としましたが、それはいくつか述べた集大成のようなもので崩壊すべくして崩壊していったと言って良いでしょう。
私と付き合っていたフロア長や一部担当者は途中で退社し自ら事業を興した者もいました。中には夫婦で頑張ってペンションを経営し今では人気のスポットになっています。
分かりやすい言い方をすれば、当時そうした担当者はみな一様に威張っていました。裏で接待や招待は当たり前だったでしょう。
いつだったか、私は群馬県のあるショッピングセンターの本部の担当者と意思の疎通を図ろうとやっと昼食を一緒にできる機会を得ました。世間話も大切な営業だから当時は嬉しかったですね。スパゲッティー程度でしたから二人でも2,000円以内です。当然私のお客様なので私が支払おうとしました。すると若い担当者は「それは駄目なんだな!どんな小さなことでも取引先に接待やこうしてご馳走になっていけないのが当社の決まりだから」と、各自で支払うことになりました。
きっちりしていて清々しい!こういう会社と仕事をしたい。正直そう思いました。ところがそれは表面上のことであってとんでもないことでした。休日を利用してゴルフの接待や都内に出かけての豪遊の事実がまもなく判明したのです。従って接待した側に仕事が流れます。これは別に決して珍しい光景ではありませんが、正直者は救われる前に騙されるってやつでしょうか?
ここまでは販売促進を通しての実態を語ってきましたが、仕入担当者に至っては目を覆いたくなるエピソードでいっぱいだったようです。セミナーで、「松坂屋はつぶれる」と聞かされて後、どんどん衰退の道を辿ったのはこうしてセミナーに参加した企業でした。何のために学んだのかさっぱり分からない。勿論私の友に立派な店長職もいました。その者はイトーヨーカドーに引き抜かれ頑張っています。
会社の体質は社長ではどうすることも出来なくなるのがこうして大きくなった企業です。私がここで述べたいことは、これらは決して職場での心の持ち方ばかりではありません。立場が変わると錯覚してしまう者の悲劇と、その為に会社に傷をつけられた経営者の悲劇です。
「お客様」と謙虚に呼べる心で、そのお客様にどうしたら喜んで頂けるだろうかと考えたらやらなければならないことはいっぱいあった筈です。崩壊したことを世の中の景気とか経営者のせいにする者がいますが大きな間違いです。あなたの心の持ち方が全てに影響を与えているという自覚と責任感をもって人生を歩いて欲しいと願うばかりです。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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