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 友だち以上 恋人未満 4

それがきっかけだったと思います。二人はその後いつも一緒でした。いつも一緒と言っても千葉と川崎です。会うことは週1回の劇団の稽古日にお茶の水でです。初めてのデート?1度遊園地へ行きました。勿論手もつなげません。しかし私には大変な出来ごとです。彼女を連れて歩いていると凄い優越感に浸れます。それほど可愛い女子高生でした。一年後の7月初旬に彼女の同級生で佐藤さんという友だちも誘い、私は親友を誘って4人で海水浴に行きました。私にはその年に樹立した記録があります。それは1ケ月に彼女に書いた手紙が102通を超えたからです。ラブレターではありません。何故か彼女と話していると楽しいのです。1ケ月に1人の女性に102通は凄い。1日3通も4通も書かないとこういう枚数にはなりませんね。もし現在彼女がその手紙を保存していたらきっとギネスですね。好きだとか会いたいという内容ではありません。楽しいことが大好きで、人を笑わせることが大好きで、文面はそんな会話口調で続きました。その他ときには電話して、週に1度は劇団の稽古で会っている訳ですから・・・。でも抱き合ったりキスをしたりなんてまったく夢のまた夢。見ている周りの人は二人を可愛い奴らと子供扱いだったんでしょうね!彼女が高校生と知っていたからその辺の自制があったのではありません。ただ一緒にいたり、手紙で何かを表現したりすることが楽しかったんですね!今の若者には信じられないかも知れませんが本当にそうだったんです。叔母や伯父にも言われました。と言うよりあきれられていたのかも知れないです。家の前にポストがあって便利も手伝ったのでしょう。仕事が手につかないほどかと言えばそれは全く違います。然し彼女の気持ちはそれとは全く違っていました。その頃はお兄ちゃんと言われていましたが日増しに彼女は私に対する愛情が増したのか将来も一緒にいたい程の気持ちを時々口にするようになりました。その頃私は百貨店に勤めていましたが、もっと自分らしい何かできる職場はないかとも考えていたのが同時進行でした。百貨店に入っていた名店街に栄太郎本舗という会社の面接を受けることになったときでした。ある日そこの店長とお茶を飲みながら話しましょうということで会社の話を聞いているときのことでしたが、同席していた名古屋名産の食品の老舗の店長の話が気になったのです。「栄太郎はとっても綺麗な仕事だからいいよな~!うちなんか酒粕臭くて年寄りばっかり・・・」等々愚痴のオンパレードです。栄太郎さんの仮面接的な話の後、帰宅はしたもののどうしても愚痴オンパレードの店長の会社の話がひっかかったのです。店長は愚痴ばっかりでも店は有名店として出店している訳だから、若者が嫌がる会社なら働き甲斐があるかも。そう思い翌日愚痴店長に会いました。もう一度詳しく話を聞きたいと話すと「おいおい駄目駄目、栄太郎が良いって・・・?」です。
何とか詳しい話を聞くことが出来ました。名古屋ではトップクラスの土産品製造販売店、宮内庁御用達の看板を持つ漬物店です。あまりにも熱心に店長の話を聞く私に打たれたのか、「それでは名古屋の本社を見てくるといいよ」と勧めてくれたのです。往復の切符まで頂いて翌日新幹線で名古屋に向かいました。店を案内して頂き工場を見て、配送センターを見たところで心は決まりました。ここが私の職場だ。そう思いました。青年専務も気に入ってくださり採用決定です。東京の店長は勤めるなら東京勤務と考えていたようですが本社採用が決まり1ケ月後の8月初旬に就任することとなりました。(つづく)

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