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 それは仲間です

『本当に仲間に恵まれた4年間でした。それが財産です。 最後にひとつだけ言わせてください!本当にいろんな人から「斎藤は何か持っている」と言われてきました。今日、何を持っているのか、確信しました。それは仲間です。こうやってチャンスを回してくれた仲間がいて、応援してくれる仲間がいて、慶応大学という素晴らしいライバルがいて、ここまで成長できたと思います』
今秋日本ハムに1位指名された早稲田大学の斎藤祐樹選手の優勝挨拶だった。なんて素晴らしいコメントなんだろう!斎藤選手の父親は「私が本人ならとっくに潰れていた」と発言していた。
夕暮れの神宮に歓喜の輪ができ「斎藤・斎藤」キャプテンの名を呼ぶナインの声が球場全体へと広がり、斎藤選手は体を仲間に預け、秋空を3度舞った。天命としかいいようがない結末。優勝決定戦は8回途中までノーヒットという快投。なんという星の下に生まれた若者なんだと誰もが思ったに違いない。
伝統ある早稲田の100代目の主将。ハンカチ王子と言われた斎藤の決勝戦はなんと「ハンカチの日」だっていうから言葉がない。もしノーヒットノーランなら日本中がもっと湧いたことだろう。
スターという星の下に生まれた若者はおそらくあの長嶋茂雄選手以来の逸材であり球界の宝となった。
やっと解禁された報道陣へのインタビューは全ての大人たちが教えられたことだろう。
「もしプロで自分が流して欲しい曲と聞かれたら!?」「どんなアーティストが好きですか?」等々の質問にも無難にその名を公表せずうまくすり抜けた。ここでもし特定の名前など出そうものなら大変なことになってしまう。当然名前が挙がればアーティストにとって名誉なことだろうがそうした全ての人に迷惑にならないよう立ち廻っている青年はまだなんと21歳。
興味本位で動き回っている報道陣も脱帽だったに違いない。冒頭での挨拶の内容も「謙虚さ」や「感謝の心」の何ものでもない。久しぶりに本物のスターがいよいよプロに飛び込んでくる。
暗いニュースばかりの2010年もその締めくくりに実に爽やかな話題を提供してくれた。あまりの有名人であったため夜も出歩くことが出来なかったという。
母親は我が子を振り返り「甲子園のときもそうでした。練習を手伝ってくれたアルプススタンドの早実野球部全員の皆さんに、心から感謝したい」と言ったんです。大一番の後、素直に仲間への感謝を口にできたことを、嬉しく思いますと。
日本ハムに入団しダルビッシュに学び楽天の田中(マー君)と大いに球界を盛り上げて欲しい。豊作だったドラフト選手、それぞれに素晴らしいドラマをありがとう。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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