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 波島陽子に出会って 1

最近波島陽子の日本舞踊教室の門をたたく若者が急増している。
なんとか日本の文化に触れながら自分を磨きたいとする若者が多いのだ。
波島陽子の教室は新舞踊を中心にお稽古をしているが実は全国で数ある新舞踊とは少しその内容が違う。それが証拠には教えを乞う生徒の平均年齢が28歳と若いのがその特徴である。各地で行われている発表会の舞台を観た人が口をそろえて評するその内容も実に興味深い。
生徒の年令は5歳から70歳代までと巾広いがしかしその殆どは20代なのだ。日本舞踊に興味ある人たちだけに他の劇場での発表会を見学に行く機会も多く、観れば観るほど波島陽子の振り付けとその指導に改めて感動している人たちばかり。
実は波島にもこだわりがあって、彼女のこだわりは新舞踊(演歌・歌謡曲等)であっても古典ものや純粋に日本舞踊の基礎を徹底して大切にしているところにある。
この踊りを観た若者はすっかりその舞い姿に魅せられ虜になってしまう。芸事ってとっても不思議だと思えることは人間がそれぞれ顔が違うようにお稽古していくうちに段々とその人なりの魅力が突出し顔を覗かせてくる。すなわち曲調や歌手によっても演歌(歌謡曲)も様々であるように、踊り手によってその作品が新しく生まれ変わるという訳だ。
日頃一生懸命働いて、大切な休日をこの日本舞踊の稽古にその時間を充てている。当然お稽古を重ねればそれなりに上達もしていく。
波島の芸仲間がこんなことを言っていたのが印象的だった。波島のお稽古風景を見たあと、「とっても陽ちゃんみたいにこんなに優しく根気よくなんて私教えられないわ・・・」、つまり逆に考えてみたら素人さんが多い中、ここまでみなさんが楽しんで通えるということは優しい先生の心にあるようだ。
かと言って決して妥協したり甘やかせているわけではない。ではなぜ生徒が楽しんで通って来ているのか?それは波島陽子という指導者の心根にあるといって過言ではないだろう。普通に考えれば、芸事って厳しいものだ。また厳しくって当たり前だとも思う。ある生徒の親御さんがこんなことを口にしていたことがある。「先生って怒ったことないでしょう・・・」と。
私はそのときあることを思い出していた。つまり、指導者は怒ったりすることのイメージは普通についていると思うがそれは大間違いであると言うことだ。怒るということ、イライラするということそれすなわち指導力のないことを如実に表しているようなものなのだ。指導力があれば決して怒る必要などないという典型的なお稽古場なのだ。(つづく)

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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