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 波島陽子に出会って 2

勿論厳しい洗礼を受けた生徒がいなかった訳では決してないのだ。波島が一番大切にしている「おもてなしの心」、つまり人間性を失ったようなものの考え方に対しては断固許すことはない。
日本の文化は「心」とまで思っている先生だからすぐに出入りを禁止する訳では決してない。根気良く諭しながら純粋に導いて行こうとするが、難儀なことに相手(生徒)もまた生まれた環境や様々に経験も違い、少し常識離れしていてもそこに気づかない人も少なくない。なにもこれは波島教室に限ったことではないが、そこのところをまた波島はとても良く理解しているのだ。
すなわち、そうした負の自分を矯正したいと門をたたく者もいるからだ。「しぐさが女性らしくありたい」とか、「優しさが外見に現われるようになりたい」とか「ガサツな自分を変えたい」などと自分をしっかり分析している生徒も多い。
しかし、習い始めて何日か経つとその変わり様にただただ驚かされる。それは生徒本人たちが一番良く知っているようだ。
あるプロデューサーがこんなことを言っていた。「本来は舞踊教室の世界でも最高の授業料を取っても決しておかしくないのに少し安すぎでは・・・?」と。
ところが波島はこのように返す「一生懸命働いてなんとか工面して通って来る生徒さんに、本当はもっとお手頃の授業料体制でなければ・・・・」と。今年の秋に新しいお稽古場を開設したのもそこに大きな理由があった。「せっかく通って来られる生徒さんたち!どこのお稽古場にも負けない環境の中でもっともっと日本の文化を楽しんでもらいたい」とも。
勿論彼女はそんなことを恩きせがましく言う人ではないので逆に気づかずにいる生徒さんの方が多い。その環境も指導もすでに生徒さんにとっては当たり前になってしまっているのだ。
中にはそこがしっかり理解できて感謝の心とともに楽しんでいる生徒さんもいる。なんでもそうだが、馴れとか当たり前になるってある意味恐いものだ。
人だからこそ相手の心を受け取る術を知っている。人だからこそ相手に愛情を投げかける術を知っているのだ。相手の成功や発展を心から喜べることこそおもてなしの心なのではないだろうか?
現在、中国がノーベル平和賞受賞問題で世界中から顰蹙をかっているが、どんなに大国になったと言ってもまだまだ日本に追いつくにはそれこそ気の遠くなるような年月がかじゃるような気がする。
日本はそれほど素晴らしい国であることに益々誇りを持って頂きたいものだ。その陰には心から尊敬できる波島陽子先生のような人がいるということももっともっと知って欲しいと願っています。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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