2ntブログ

 小さな冬物語

秋田県横手市の雪景色が映し出された。私の故郷と同じ景色!駅員が一生懸命雪かきをしている。
都会の人には想像もできない雪の量だが私にはこれが本当の冬だと思っている。自分の背丈よりも降り積もった雪と闘う姿。ただ懐かしい。前にも話しましたがこれで良いのです。雪国の人には叱られてもこの懐かしさが本当の故郷のような気がします。
子供の頃からカンジキを履いて道つけをしました。子供には荷の思い積雪ですが父親は新聞屋さんがこれでは配達できず可愛そうだから来る前にと。それはまだ夜明け前の5時頃の話です。
今でこそ消雪パイプが整備され道路に雪があるのが珍しいくらい。豪雪地帯だからその量は半端ではないのです。国道は消雪パイプでなく除雪車です。だから除雪車の通った後は数時間置かずにまた真っ白になる。
昭和38年の豪雪にはまだ国道も冬になると通れなかった。物流はすべて国鉄の貨物。日通か郵便のみの配達。それもソリでの配達。
道路両側から降ろされた雪で積雪は2階の屋根より高い。それもデコボコ道でソリがよく荷持つを崩しては町の人が手伝っていた。
従って私たちの作る雪だるまも実に大きい。高さ10mなんていくらでもあった。町のあちらこちらに土俵が作られていてみんな遊ぶのに事欠かない。
スキーは学校で必須科目なので嫌でもみな滑れる。多くの知り合いから便利になった携帯メールが届く。嫌だね寒くて!家から一歩も出れないんだ!いつも10分ほどで行っていた店も今では往復1時間以上かかる!
みんな切ない愚痴ばかり。
都会に移り住んだ私に言える権利はないかも知れないが、せめてこんなときこそ雪を楽しんでもらいたい。
私の持論である考えてもしょうがないことは考えないこと。考えても仕方ないことを考えるよりも、せっかくの雪なんだから雪を楽しんでもらいたい。
寒いと思えば寒い!同じ時間寒いの連発よりもその寒さやどこにもないそれら豪雪を逆手にとって楽しい暮らしに変えて欲しいと思う。
新潟の北魚沼地方に只見というところがあるが、この積雪は異常だ。スキー場がオープンするのが春になってからなのだ。それほど雪が深く恐ろしくもなるほど。ここでは冬の雪をテントで覆い夏まつりに雪で遊ぶというイベントがある。その地方ならではのアイデアだが雪が降る以上泣いていても始まらない。私が昔何年も故郷を離れ都会で生活していたころ、久し振りに雪のない年があった。お寿司屋さんに飛び込んで食事をしながら「雪が無くって良かったですね~」と言ったら凄い勢いで怒られた。「こちとら雪が無きゃおまんまの喰いあげだよ」って!

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
チーフ・プロデューサー
演出家

最新記事
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード