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 不思議な光景 1

私が名古屋の老舗に勤め始めたころでした。販売店に配属される前に修行を行った工場(配送センター)の場所が道路を挟んで反対側にそのラブホテルはありました。4階建てのホテルへは毎日頻繁にカップルの出入りがあります。仕事をする正面に出入り口が見えますから半年もすると、ラブホテルの入り方や出方を本に書けるほどでした。
出入りもそうですが、カップルの凄さです。そのラブホテルは名古屋の中心地にあって、駐車場がないものだからとてもよく観察できました。そこは6m弱の狭い道路ですがそんなに多くの車が通るわけでもなく、仕事終わりには何度もホテル入り口前(私たちには会社の前です)でキャッチボールをしホテルから苦情をもらいました。つまり営業妨害だと言うのです。
一時期本当にそれらしき本を出版しようかなんて考えたものです。こんなに儲かる商売があるんだろうかとも思いましたね。ご存知のように「ラブホテル」とは、主にカップルの性行為に適した設備を持つ部屋を、短時間(休憩)もしくは宿泊で利用できる施設です。
業界では露骨な表現を避けるため「ファッションホテル」や「リゾートホテル」と表現することもあるようです。時代が変わって「ハッピーホテル」と言っているようで若者などは「ハッピーに行こう!」となるのだそうです。
国民性なんでしょうか、ラブホテルは日本固有の文化であり、世界中どこを見てもこんなものはないということにも驚かされます。ラブホテルは勿論特殊ですから入る時よりも、出る時の方を重視するとのこと。いかに出やすい環境をつくるかが重要になる。それによってお客様のリピート率が上がる。なおかつ堂々と出ることができて、人目に触れないのがポイントだっていうから会社の前のホテルは最悪だった訳です。
問題は利用者です。出版できるほど見たその光景は殆どが「浮気」のカップルでした。それは決して恋人や夫婦には見えないカップルです。それも、どうしてこんなカップル?と何度思ったか知れない二人連れです。女性は20代前半で男性は50歳過ぎ、女子大生らしき人と年配!いくら都会とは言え、工場の中の若者は「代わってくれ~!」なんて叫んでいた者もいたほどです。そうかと思うと取引先のキヨスクの売店(名古屋駅)の可愛い販売員が年配の人と出て来た時はみなショックを受けていました。入るときは伏し目がちに急ぎ足で飛び込むので、出て来た正面に老舗の看板を目にしたときは驚いたことでしょう。そうかと思うと嫌がっている男性を強引に手を引っ張って連れ込む女性の姿と本当に様々。
こうしたホテルは勿論恋人と使用するカップルも目にしましたが、圧倒的に浮気相手らしきカップルが多かったのは事実です。(つづく)

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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岡部俊雄

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