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 小さな秋の物語 3

夜空の星に なりたいなんて
悲しいことを どうして言うの
声も聞けない 遠くの町に離れていても
ああ 君が好きだよ

短い別れ 別れじゃないさ
心はみんな あずけて行くよ
濡れた震える まつ毛の先の先までも
ああ 君が好きだよ

夜空の星に 君だけなって
どうして僕が 幸せだろう
指を結んだ その指までが泣いている
ああ 君がすきだよ


この歌は佐々木新一の「君が好きだよ」という歌詞だが、あるとき父と夜の散歩をしてた川岸で「お父さん!歌ってもいい・・・?」と歌い出したのがこの曲だった。父は忙しい中ときどき星を観に散歩に誘ってくれた。そして本当にいろんな話をしてくれたことを改めて思い出す。
特にあの美しい星はこの大都会では決して目にできない。それほど美しい星空だった!

父は厳格だったがもの分かりの良い親であったと思う。反面、母親は柔らかな性格で私が歌謡曲を聴ける環境にあったのは母の影響なのだ。母は橋幸夫の大フアン。そのお陰で私は彼の歌はB面まで知っているくらいだ。
そんな中父親の前でなぜか歌いたかったのがこの「君が好きだよ」だった。
真面目に一生懸命歌ったことを覚えている。

夜空の星・・・・と歌い出すから状況としては合っていると思ったが考えてみたら悲しい曲だ。
まるで佐々木新一になったように・・・・・私は歌った。

その翌年の夏、父は交通事故で亡くなった。
長いこと・・・、なぜか長いこと封印していたこの曲。歌うとどうしても涙が止まらないのだ!
私だけの大切な歌になりしばらく歌うことは無かった。カラオケが普及し一人でマイクを持つ時この曲を口ずさむがどうしても涙ぐんでしまう。その頃の父がそこにいるような気がするからだ。

佐々木新一の声には、哀愁があって、艶があってなんとも素晴らしい!古城など歌わせたら絶品だろう!

社会に出て結婚して親になって・・・、なのにこの歌はいつまでも心に響く
「リンゴの花が咲いていた」なども最高で、是非父に聴かせてあげたかった。

企画制作の仕事に就くようになって市町村のイベントに何度「佐々木新一」を招(よ)んだことか・・・
(つづく)
プロフィール

岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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